[若者の岐路]ペイしない棚を作ってみて思ったこと

3月に入ってから、ビス・釘を使わない棚の製作に取り掛かっていたのですが、先日遂に完成しました。

これまでにも色々な物を作ってきましたが、自分で作ったものはどれも素人感が抜けず、また材料費も掛かるので、安く手に入るのであればプロが作ったものを買おうと思うようになっていました。

 

それでも今回は自作しなくてはならない理由がありました。

それは、使いどころがはっきりしていて、ピッタリとしたサイズが欲しかったからです。

うまく作ることが出来れば「オーダーメイド品」ですが、悪ければ「素人仕事の棚」になってしまいます。

自分にスキルが無い以上、基本的にはプロが作ったものを買っていくという方針は変わりませんが、それでも手作りしなくてはならない場面は無くなりそうもないので、スキルの向上も諦めてはいけないと思っています。

・完成した棚

 

サイズ:910×690×290
素材:ラワン合板
仕上げ:アマニ油(一回塗り)
材料費:約2,000円(合板を2枚使いましたが、2枚目は3/5くらい残っています。)
特徴:四つ角の接合は「蟻継ぎ」で、棚板にも釘やビスは使用していません。
製作日数:3日間

 

それではこの棚の愚かしい?(悲しい?)ところを書いていこうと思います。

・素人感が拭えない

技術やセンスはいきなり身につくものではないので、この点は経験を積むしかありません。

・コストに関して

材料費は2,000円におさえることが出来ましたが、作業日数は3日も掛かっています。

3日とはいえ、丸一日掛かり切りになっていた訳ではないので、一日辺りの人工を(低く見積もって)5,000円と考えると、15,000円になります。

これに材料費を足すと17,000円にもなりますが、この棚にそれほどの価値が無いことは明白です。

・古物商の目線で考察

もしこの棚を業者市場に持って行ったとしたら、おそらく買い手は現れないでしょう。

万が一売れたとしても500円~1,000円という、発句(開始)価格で終わるのが関の山だと思います。

・まとめ

この棚を活かせるのは、僕が採寸したある一ヵ所だけです。

つまりこの棚の費用をペイ出来るのは、僕だけなのです。

 

何も持たない僕が田舎に移住して来たとき、既に貯金が底をついていたので、直ぐにお金を稼ぐ方法を考えなくてはなりませんでした。

地の利を生かしたお金儲けの方法は無いだろうかと考えた中には、「木工作品を作って売る」というものもあったのですが、専門工具の一つも持っていない素人が利益を出すのは、至難の業だと言わざるを得ません。

当時の僕も同じように考えたので、結局は安易にアルバイトで稼ぐ方法を選択したのですが、振り返ってみると、アルバイトに費やした4~5年間は勿体なかったなと思っています。

 

アルバイトをして得られたお金は、小屋暮らしの僕でも生きていくのが精一杯で、貯金などは全く出来ませんでした。

現在はアルバイトを辞め、古物商のようなことをしていますが、アルバイトを辞めるときは「乗るか反るかのギャンブル」のようなものでした。

乗ったから良かったものの、反っていたらどうなっていたのだろうと、今考えただけでもゾッとします。

 

移住して来たばかりの時に、もし「木工職人」を志していたらどうなっていたのでしょうか。

例えばですが、運よく弟子入りを受け入れてくれる職人さんに出会えていれば、僕もキャリア7年目の木工職人になっていた可能性だってあったのです。

 

僕は運よく手に入れた現在の仕事や環境を、心の底から気に入っているし、楽しんでいるので良かったのですが、(特に若い人の)人生にはいくらでも可能性があるというのは本当だと思います。

初めてのことを前に人は、『自分にはとても無理だ』といったネガティブな感情を持ってしまいますが、現在活躍している人たちも、最初は同じような気持ちだったのではないかと思います。

どこかで「えい!」と思いきることは、人生を変えたいと思っている人には必要なことなのかもしれません。

(下に続く)




おまけ

ここに作った棚を入れたいと思っています。

 

先ずは壁に取り付けていた棚板を取り外し、ベニヤ板で開口部を塞ぎました。

 

流石はオーダーメイドです。

『採寸をミスったか…。』と焦るほどピッタリでした。

 

収納力は格段に向上しました。

 

棚を入れた後は、当初の目的を果たすべくお気に入りの熊や猿、商品などを並べました。

 

これまでの木工作品の中では、かなり上手く出来たと思っています。

市場価値は期待できませんが、自分の中では満足のいくものが出来ました。

 

おしまい。



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