先日、東京都町田市にある、「コストコ」へ行って来ました。
移住前には何度か行ったことがあったのですが、小屋で暮らし始めてからは行かなくなっていたので、実に5、6年振りだと思います。
今回の遠征の目的は骨董市だったのですが、これが不発に終わった為、どこかで穴埋めをしたくて向かったのが「コストコ」でした。
久しぶりに行ってみて思ったことは、「もう二度行かない」でした。
小屋で小さく暮らすようになったからか、コストコの見え方が変わってしまったのかもしれません。
皆さんご存知のとおり、コストコは会員制のスーパーマーケットなので、初めての場合、もしくは一度解約をしてしまった人が再度入場する為には、会員費の「4752円(税込み)」を支払い、顔写真入のコストコメンバーズカードを手に入れなくてはなりません。
晴れてメンバーズカードを手に入れると、従業員からは笑顔で、「それでは行ってらっしゃいませ!」と見送られます。
この時点で勘の良い人(思い込みの強い人?)は気が付くかもしれません。
コストコメンバーズカードとは、「ディズニーランドの年間パスポート」のようなものなのです。
コストコとは、アメリカ人のスケールの大きさに触れることの出来る、一種のテーマパークなのだと思います。
そうでなくては、身体の小さい日本人には扱いづらい巨大なショッピングカートを押す必要もないし、馬鹿みたいに大きいだけで決して安くもない食材を有難がって購入することもないのです。
コストコの巨大ショッピングカート
コストコでは、巨大ショッピングカートを食材や雑貨で山盛りにしている日本人観光客を多数見ることが出来ます。
近年稀に見る大家族なのかもしれませんが、彼らは高揚した表情を浮かべ、あれもこれもと手を伸ばし、とても楽しんでいるように見えます。
混雑する店内
一見異様に感じるかもしれませんが、ここがディズニーランドのようなテーマパークだと思うと、何ら不思議ではありません。
例えばディズニーランドまで来て、「ミッキーのプチワッフル(¥460)」が高いだとか、「ミッキーチュロス(¥310)」が暴利だとか言っていては、せっかくの雰囲気が台無しだし、無粋だと思います。
僕はといいますと、来店客であるシュレックみたいな体格の欧米人を見て、明らかに萎縮してしまったり、いつまでもショッピングカートが空であることを恥ずかしく思ったりしていました。
すぐに『これではいけない!』と気持ちを切り替え、いつも以上に胸を張って(虚勢を張って)店内を歩くようにしていていたのですが、このマインドこそがまた情けなかったなと思います。
混雑する店内に巨大ショッピングカートは邪魔なので、他の日本人客がそうするように、僕も適当なところにカートを停め、商品を見て回るようにしました。
結局僕が購入したのは、入店前から買おうと思っていた「ティラミス・ドルチェ(1500g)」と、後は「ポテトチップス(907g/5020kcal)」だけでした。
他のお客さんのショッピングカートと比べると、(少なすぎて)逆に目立ってしまったような気がします。
せっかくディズニーランドまで来て、「プーさんのハニーハント」と、「ポップコーン(キャラメル味)」を食べただけで帰るようなものだったのかもしれません。
朝昼晩とティラミスとポテトチップスを食べていますが、一食目から後悔が始まり、二食目からは頭を抱え、終いには毒を食べているような錯覚に陥るまでになってしまいました。
どんなに美味しいものでも適量を守らなくては身体に毒だし、そもそも日本人と欧米人とでは、フィジカル面で「猫」と「カラカル」、場合によっては「ウンピョウ」や「トラ」、「ジャガー」や「ライオン」くらいの差があるので、僕は今まで通り、近所のスーパーで、自分の身体に合ったものを買おうと思います。
どうせ僕の小屋には、冷蔵庫もフリーザーもないだから…。
[おまけ]
少し脱線しますが、コストコに買い物に来ていた身体の大きな欧米人を見て、少年時代の記憶を一つ、思い出しました。
当時付き合いのあった、“物知り”の先輩から聞いた話です。
その先輩は僕に、「クラブでモテる方法」なるものを伝授してくれたのですが、その中に、僕ら日本人(男性だけ?)が持っている、欧米人コンプレックスが如実に現れていたのです。
「いいか、クラブで女にモテる為にはな、まず黒人にナンパされている女の子を見つけるんだ。」
「はぁ…。」
「ナンパされている女の子が嫌がっていたらそこに入って行って、『この子は俺の彼女だから』と言うんだ。」
「これで一発だから」という先輩に対し、僕はたまらず質問をしました。
「でも先輩、黒人に殴られたりしないですかね…?」
「それは絶対にない。」
「何でですか!?」
「あいつらにとって日本人なんて小人みたいなもんだから、殴ったら死んでしまうと本気で信じてるんだよ…。下手に殴って殺人になるのが嫌だから、あいつらは手を出してこないんだ。」
「マジっすか…。(※当時は本気にしていた)」
欧米人(アメリカ人だけ?)の食べ物を見ていると、とてもフィジカル面では叶わないと思わされます。
体格で勝る人々に対して卑屈にならない為には、もっと勉強を頑張っておくだとか、せめて護身術でも身に付けておけば良かったのかなと思うのと同時に、現代が北斗の拳のような「ヒャッハー」な世界じゃなくて良かったなと思います。