人間の内面が醸し出される家をのぞき見する職業|都合の良い男

昨日は図書館で数時間、本を読んだりブログを書いたりしていました。

その後長野に向かって車を走らせていたところ、電話が鳴りました。

 

着信の相手は師匠でした。

どうやら買い出しで入ったお宅から楽器が出てきたのですが、その買取金額が分からないので、僕に来てほしいという内容でした。

名のある楽器であればなおさら、インターネットで検索すればすぐに分かると思うのですが、師匠は自分では調べることが出来ないというのです。

 

急遽車をUターンさせ、指定された住所を目指しました。

自分で言うのもあれなのですが、いつでも電話一本で”直ぐに”駆けつけることが出来るのだから、僕は便利な男だと思います。

 

※速報※ PM7:22

七輪で焼いていたアジの開きが無くなっていました…。

犯人は野良?の茶トラ猫です…。

 

師匠に呼ばれた場所は別荘地の中にあったのですが、自宅ではなく、大きなガレージでした。

持ち主が亡くなったので、片付けをしたいと奥さんからの依頼だったようです。

ガレージの中は、既に車とバイクは処分済みでしたが、立派なケースに入った楽器やスピーカー類、スポーツ用品に自転車、ラジコン、望遠鏡などなど、まさに男の遊び場といった感じの空間が広がっていました。

 

さっそくインターネットで当該の楽器を調べてみたところ、どれも一流のものであることが分かりました。

師匠にその旨と、現在の取引状況をざっくりと調べて伝えたところ、ほっとした顔をしていました。

というのも、査定金額があまりにも低ければ、当然依頼主も手放すとは言わないからです。

 

全く分からない状態だったら、査定額を数万円で出すところだったようですが、いざ一流品だと分かった後は、一体いかほどの査定額になるのでしょうか。

ここから先は僕には関係がないので、ガソリン代を貰って帰ることにしました。

 

今回ガレージにあったものをみてみると、どれも一流のもので揃えられているようだったし、別荘の他に、遊び部屋のようなガレージまで所有しているところをみると、なかなかのお金持ちなのだと思います。

 

しかし一つ気になることがありました。

それは、ガレージの中に詰め込んだおもちゃの数々が、どれも新品のように綺麗だったことです。

 

ここからは僕の勝手な想像ですが、きっと一度や二度触っただけで、直ぐに興味が無くなってしまったのだと思います。

幾らお金があったとしても、夢中になれるものがないのだとしたら、それはとても悲しいことだと思います。

 

楽しみは老後に取っておくといって我武者羅に働く人がいますが、いざ老後になった時、時間とお金の自由がきくようになったとしても、一体どれくらいの情熱を持って趣味に没頭することが出来るのでしょうか。

余計なおせっかいだし、僕は人のことを心配出来るほどゆとりも暇もないので、これ以上考えるのはやめようと思います。




書いていて思い出したのですが、以前買い出しで入ったお宅も、非常に特徴的でした。

奥さんに先立たれ、旦那さんが一人で最後まで住んだ一軒家だったのですが、もう住む人がいなくなったので、取り壊すことになったのだそうです。

 

その旦那さんは男色家だったようで、壁の至るところには男性の裸体写真やポスター、そしてねじりはちまきの菅原文太などが貼られており、また、男性にフューチャーした、裏ビデオや雑誌もわんさかと出てきたのです。

他にもブログには書きづらいようなアイテムだったり、何に使うのか一見して分からないものなどもあったりして、僕はこのお宅の有様をみて、『最後は自由に生きたんだな…。』と思いました。

 

どちらが幸せな人生だったのかなどと結論付けるようなことは出来ませんが、他人の部屋の中というのは、何よりもその人の内面が浮き彫りになる場所なのかもしれません。

そんなプライベートな部分に入っていくことが出来る仕事というのは、そう多くはないような気がします。

 

 

下世話なことを書きますが、こんなところも含めて、古物の仕事はちょっと面白いです。

 

・おまけ

以前ブログで書いた、何だかさっぱり分からないと書いた竹串セットですが、たくさんのコメントをいただきまして、「伸子針」「張り手」のセットであることが分かりました。

(助かりました。有難うございました。)

 

そして直ぐに、この品を欲しいという人に巡り合うことも出来ました。

また再び、「洗い張り」だったり、「染め物」に使われるのだと思います。

 

先日図書館で読んだ雑誌の中にも、この伸子針を使って染め物をする人の写真が載っていました。

ちょっと良いなと思いましたが、既に売約済みだったので、小心者の僕には束になった伸子針の中から数本抜くということが出来ませんでした。

 

埃っぽかったので、軽く水洗いをしました。

 

・おまけ2:慈母観音像

市場で買った箱の中に入っていました。

 

さっそく開けてみようと思います。

 

『あれ…?』

 

『ね、猫だ!』

 

観音様ではありませんが、とても雰囲気のある猫がやって来ました。

ちょっと嬉しかったです。



“人間の内面が醸し出される家をのぞき見する職業|都合の良い男” への2件の返信

  1. この慈母官能猫www
    明治か大正頃の招き猫ですか?
    ヤフオクだと1万円台半ばから2万円近くで売れる奴ですね♪
    うらやましいです

    1. まさに明治、大正辺りの招き猫だと思います。(※師匠がそういっていました。)

      しかし1~2万円近くで売れる猫なんですね!?

      気に入ったので並べておこうかと思っていましたが、それほどの値がつくなら売ってもいいですね!

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