師匠と僕の一ヶ月|オタクの息子がいるお宅

[Diary:566]

先月を振り返ってみると、師匠の仕事を手伝ったのは4回だけでした。

仕入れで市場に行くことがなかったし、フリーマーケットに出店した日をカウントしても、先月外に出て働いたのは僅か5回でした。

しかしインターネットのお店は、今が書入れ時といわんばかりの売れ行きなので、平均して週に一回の師匠との仕事ですが、今のところはこのくらいが良いペースだと感じています。

 

今月もまた師匠の仕事を手伝っているので、今日はここらへんのところを書いていこうと思います。

今月最初の仕事は、古道具とは関係のない、チューリップなどの球根を師匠のお店の庭に植えるという仕事でした。

古道具界隈の人はこのブログを読んでいない筈なので書きますが、師匠に呼ばれる仕事内容が古道具に関係のないことだと、正直ガッカリしてしまいます。

しかしこういった仕事でも手を抜かずに頑張っていれば、きっと未来は明るいと信じています。

 

師匠の家で使っているコンポストを肥料として使うということだったのですが、このコンポストはまともに運用されていないようで、ただただ腐敗しただけの(とてつもなく臭い)生ゴミと、卵の殻がそのまま入ったバケツを渡され、師匠はギャラリーに来たお客さんの対応で一切手伝ってくれなかったので、僕は思わず臍を曲げてしまいました。

必要最低限の会話だけをして仕事を終えると、(急いで風呂を沸かして入りたかったこともあり、)直ぐに帰ると師匠に告げたところ、「えっ、もう帰っちゃうの…?」と少し困惑されてしまいました。

帰宅してからしっかりと反省しました…。

 

 

数日後、東京で買い取りの仕事があるというので、二日間に渡って師匠の仕事を手伝って来ました。

東京へ行く日は朝が早いのですが、最近また自堕落になりつつあった僕には辛く、初日は殆ど睡眠をとることが出来ないという最悪のコンディションでした。

せめて車の運転くらいはした方が良いと思うのですが、判断能力の低下した状態での運転は避けるべきなので、申し訳ないとは思いつつも僕は助手席に座り、そして少しだけ眠ってしまいました。

※その分現場では一生懸命荷物を運びました。

 

※買い取りに入ったお宅の外観や家族構成など、何でも書くことが出来れば面白いのですが、師匠はもちろん、仕事をくれた人やその家に住んでいた人の了承を得ていないので、書ける範囲で書いていきます。

 

師匠は、ひと区間だけでも平気で高速道路を使う人なので、東京へは、当然ながら高速道路を使いました。

すごい田舎に引っ越してきたと思っていましたが、しかし高速道路を使えば東京には僅か二時間くらいで到着します。

半年ほど陸路でユーラシア大陸を横断した後に、帰国するために飛行機に乗ったらあっという間に日本だったという感覚に似ています。

今回の現場は、特別にお金持ちという感じではありませんでしたが、別棟もあって、東京の住宅事情を考えれば、家自体は十分に大きい部類に入ると思います。

このお宅は、引っ越しに伴い解体をするということでしたが、きっと引っ越しをしたのは大分前のことなのだと思います。

その根拠は、うず高く降り積もった埃です。



ある意味芸術的な埃の山です。

 

僕はしっかりとマスクと手袋を装着していますが、師匠はいつだってノーガードなので驚きます。

 

まずは空気の入れ替えをしようと窓を開けに行くと、野良猫たちが一斉に駆け寄ってきました。

家の中には古くなった猫の餌が置いてあったので、かつてこの家の住人は、この猫たちに餌を与えていたのかもしれません。

そして彼ら野良猫たちは、いつまでも帰らぬ家主をこの家の庭で待ち続けているのでしょうか…。

※優しい師匠は、翌日には新しい餌を二袋も持ってきてくれました。

 

左から三匹目の白黒の猫は、綱吉ととても良く似ています。

 

これまでに僕が買い取りで入ったお宅の家主は、ことごとく老人でした。

亡くなったので、残置物を買い取って欲しいという相続人からの依頼が多かったのですが、今回のお宅は、自分ともあまり変わらない年齢の息子がいたようで、その息子の部屋は、大量のフィギュアやゲーム、漫画本に楽器などで占領されていました。

残念なことに、ファミコンやプレステの中身はあっても、PS3やPS4、PS Vita、高そうなギターなどは、箱はあっても中身は入っていませんでした。

 

ここに住んでいた青年は、きっと親と一緒に大事なものだけを持って引っ越していったのだと思っていましたが、その後、どうもそうではなさそうだと思わされるようなものが出て来ました…。

何が出てきたかについては、また次の更新で触れたいと思います。

 

[おまけ]

家を壊す「解体屋」が入る前には、残置物を処理する「産廃屋」という業者が入ります。

当然残置物が多ければ多いほど撤去費用は嵩むので、その前に家主は、僕らのような道具屋に依頼をして、少しでも荷物を減らそうと考えます。

そのことが分かっているので、師匠は少しでも残置物を減らしてあげたいと、可能な限り買い取るスタンスです。

しかし青年の部屋にあるようなものは師匠の守備範囲外なので、今回は僕が丸々担当することになりました。

 

青年の部屋で一際目立っていたのは、パチスロ台でした。

さすがに壊れていては買い取れないので、なんとなくで鍵を開け、電源をいれたりレバーを叩いたりして、動作確認をしてみました。

レバーを叩くこと数回で、『これは熱いだろ!?』と素人目にもわかるような演出が始まりました。

 

ルパン三世のパチスロ台です。

レバーを叩いて数ゲーム、不意にタイプライターの音が流れ出し、液晶画面には「チェリーを盗め!」との文字が現れました。

『えーいままよ!』と回転するリールを止めたところ、なんという偶然か、本当にチェリーが止まりました。

(※確かにチェリーは止まったのですが、特に何事も起こらなかったので終わりにしました。)

 

この青年の部屋にあったものを僕も少しだけ貰ってきましたが、それもまた次回の更新で触れようと思います。

 

おしまい。




“師匠と僕の一ヶ月|オタクの息子がいるお宅” への4件の返信

  1. 猫さんたち・・・(涙)
    人には色々あるかもですけど、
    猫にはわからないんですよね・・・。
    でもあまりやつれた子もいないようですし、
    可愛がられてたのかな。

    あ、コンポストのバケツ。
    うちのと同じやつですー!
    ちなみにコレに、肉系や魚系のモノを入れると
    超絶臭くなります(大汗)虫も湧きますし。
    しかも水分過多で発酵しなくなって
    いつまでも匂います。
    ウチも最初何でも入れてたら
    真夏にくさやの香りになりました。(汗)
    植物系の残飯などを入れて
    その都度少しづつ米ぬかを入れたりすると
    リンゴのような良い香りの液肥が取れます。

    肉系のゴミは覚悟を決めて
    外とかに専用のバケツを作ると・・・
    2年くらいすると溶けて液肥になります。
    (制作途中は絶対に見てはいけません)

    1. 猫は、人間が思っているよりもずっとたくましいのかもしれませんね。

      僕も彼らの肉付きを見て安心していました。

      あそこの庭は、ただのたまり場なのかもしれませんね。

      コンポストですが、やはり師匠は使い方が分かっていなかったようですね。

      開けてみたところ、ただの生ゴミが入っていました。

      ゴミが肥料になるというのは確かに魅力ですが、我が家でそれをやってしまうと野生動物を引き寄せることになる為、自重しています。

  2. 次回のブログが気になりますね(~~;)
    ファミコンやプレステはあまり人気ないのですか、ゲームは詳しくないので・・・

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