[Diary:567]
前回の日記:師匠と僕の一ヶ月|オタクの息子がいるお宅
買い取りで入った東京のお宅には、オタク?と思われる男性の部屋がありました。
今どきのゲームや漫画、電子機器などは師匠の守備範囲外なので、僕が丸ごと受け持つことになりました。
古いゲーム(ファミコン、スーファミ、ゲームボーイ、プレステなど)やパソコン(Windows98~me、XPくらい)などは残っていても、PS3~4、PsVita、大量のフィギュアなどは、箱だけが残っているだけで、中身は入っていませんでした。
他に目についたのは、コミケ関連のものやアニメキャラが全面に押し出された大量の紙袋、ポスター、そして漫画本です。
オタクらしく?パッケージも捨てずに保存してきた人が、引っ越しの際には中身だけを取り出し、持って行くのだろうか?と少し引っかかりましたが、買い取りで入っている僕には関係のないことなので、それ以上は深く考えませんでした。
大量のダンボール箱や紙袋の下からは、プラスチック製の引き出しにみっちりと入った、往年のゲームソフトが出て来ました。しかし僕には価値のあるソフトを見分けることが殆ど出来ません。
師匠のスマホを借りてきて調べることも考えましたが、それでは時間が掛かり過ぎてしまうので、大変ですが、一旦全てを箱詰めして持ち出すことにしました。
少し前に、師匠が何年間も寝かせていたスーパーファミコンのソフトが大量にあったので、僕がインターネットで売ったことがあったのですが、その時は数万円の値が付きました。
殆ど無価値のソフトでも、その中に1本でもプレミアのつくものがあれば、今回も同じように売れると思うので、とりあえず全部持っていくという選択は正しかったと思います。
※面白いので、本当はどんなソフトがあったのかを全部書き出したいところですが、僕はまだ修行の身だし、そもそもこの仕事は僕が持ってきたものではないので、残念ですが諦めます。
真冬の寒さでしたが、汗を滲ませオタク部屋での発掘作業をすること数時間、もう良いだろうと思えるくらい荷物をまとめ、ようやくホッとしたのも束の間、実は2階建ての離れこそが本丸だったのかもしれません…。
なんとこの離れには、オタク部屋と比べても桁違いの量の漫画本が、それこそうず高く積まれていたのです。
産廃業者や解体業者が入る関係で、僕らには2日間しか買い取りの時間が与えられておらず、ハイエースの荷台の関係もあって、山積みの漫画本の半分くらいは諦めましたが、それでも大量の漫画本を回収することになりました。
※これはあくまでも僕の推測ですが、この離れに住んでいたのは、母屋に住んでいたオタクとは別の男性だと思います。漫画の趣味が違いすぎるというだけの理由ですが、しかし2階に関しては、おそらく住んでいたのは女性だったのではないかと思います。これも積まれていた本のレパートリーからの推測です。
師匠も、「この離れは誰かに貸していたのものなのかもしれないね」と言っていました。
紙ものでも積み重なればかなりの重量になります。
漫画本が積まれていた一部の床は、なんと抜けかけていたので驚きました。
そして抜けかけた床以上に驚いた、、というよりも嫌だったのは、1階の漫画本の山の半分以上がエロ漫画(いわゆる2次元もの?)だったことです。
更にエロ漫画に負けないくらい大量の官能小説もあり、僕には埃だらけの母屋以上に不快で、それは鳥肌が立つほどでした…。
やる気を無くした僕は、なんとなく聞いたことがあるタイトル(沈黙の艦隊やグラップラー刃牙など)や、ガンダムやエヴァンゲリオンなどをまとめた、ディアゴスティーニが発行したファイルだけを選び出しました。
僕がプレイステーションで初めてプレイしたのは、ファイナルファンタジー7でしたが、そのときの僕を見た父親は、「影響されて喧嘩とかするなよ…」と(カクカクの)ポリゴンのキャラクターを見て心配そうに呟いていたことを思い出していました。
『バカなことを言ってら…』と当時の僕は思いましたが、2次元のエロ漫画やパソコンソフト(エロ)を目の当たりにしたとき、僕は思わず『こんなものを見ていては駄目だ!』と心配になってしまいました。
もしかしたら僕も、亡き父に似てきたのかもしれません…。
ある程度の仕分けが終わった頃、師匠が離れに顔を出しました。
「これは持っていかないの?」とエロばかりの山を指差して言ったので、僕は『気持ち悪いのでやりたくありません』と答えました。
すると師匠は、「僕も分からないけど、こういうのが売れるんじゃないのかな?」と、大量のダンボールを母屋から持ってきたので、仕方なくエロも箱詰めし、他のものと一緒にならないように区別してまとめました…。
師匠いわく、市場にはこの手のものを専門に扱う人もいるのだそうです…。
・
解体前のお宅なのである程度は仕方がないのですが、いわゆるゴミ屋敷と言っても差し支えないような現場での、ハードな2日間が終わりました。
帰りの高速道路で買ってもらった、柿の葉で包まれた鯖寿司のシャリは、なんだかパサパサとしているような気がして、あまり美味しいとは感じられませんでした。
[最後に]
今回の買い取り(片付け)は、現場が東京ということもあり、少し大変でした。
僕が担当した部屋に住んでいたオタクも、家族と一緒にどこかへ引っ越していったのだろうと思っていましたが、彼の部屋から出てきたあるものを見て、もしかしたら僕の推測は間違えていたのかもしれないと思いました。
詳しくは書けませんが、このオタクの机の中に入っていた履歴書を見る限り、彼はなかなかの高学歴で、勤めた先の企業では、年齢からするとかなりの出世コースに乗っていたようです。
しかし、彼は何らかの病気を患い、少なくとも会社を休んでいることが分かりました。
その根拠となったものは、同僚や部下からの「寄せ書き」でした。
そこには、「病気に負けないで下さい」といった内容が書かれていたのですが、誰一人として、「病気を直して早く帰ってきて下さい」といった、会社に復帰する可能性については書かれていませんでした。
僕はこの寄せ書きが、なんだか不穏なものに感じられました。
もしかしたら、、と考えなくもありませんでしたが、知らないほうが良いこともあるので、それ以上は深入りしないことにしました。
僕はこれからも道具屋としてやっていくつもりなので、元の所有者に敬意を払いつつ、頑張っていこうと思います。
[おまけ]
庭に捨て置かれた謎の瓶です。
いかにも腐っていそうなので、普通なら避けて通りそうなものですが、僕はこの古そうな瓶が欲しいと思ったので、中身をシンクにでも空け、持っていこうと考えました。
しかし蓋がガッチガチに固着していて、どうしても開けることが出来ませんでした。
合計3つの瓶を見つけましたが、どれも蓋を開けることが出来ませんでした。
しかしどうしても諦めることが出来なかったので、中身の入ったまま、持ち帰ることにしました。
※この瓶の顛末に関しては、またの機会に書こうと思います。
ちょっとだけ古いブックシェルフ?ブックスタンド?です。
綺麗にして磨きました。
最近は小屋の中が荷物で圧迫されているので置き場所には困りますが、ちょっと欲しかったものなので嬉しかったです。
電気コードのないオーブンです。
これは直接火器の上に乗せて使います。
これはいかにも我が家向きの調理器具だと思います。
良く掃除をして、いつかこのオーブンでパンでも焼いてみたいと思っています。
漫画本の大部分は師匠が市場で売るのですが、僕も少しだけ譲ってもらいました。
「読みたいものがあれば持っていって良いよ」と分けてもらったのですが、読みたいと思う漫画本というよりは、『もしかしたら儲かるかもしれない』と思えたものを中心に貰って来ました。
特に高く売れるという根拠はないので、年末年始の楽しみにでもなれば満足です。
我が家の荷物倉庫は、この通り一杯になってしまいました。
※ダンボールの上のプラスチックケースは、ファミコンやプレステなどのゲームが詰まっています。僕がインターネットで売ることになっているのですが、今回は売上の半分をいただけることになっているので楽しみです。
次回は、貰ってきたもののメンテナンスや、(少量ですが、)実際に売りに行ってきたものがあるので、その辺りのことを書こうと思っています。
おしまい。
今回のお話はかなりわくわくとして読みました。
なかなか面白かったです。
最近また古いゲーム(ファミコンとか)のカセットが人気あるそうで
知り合いの古物商さんがうちに電話してきました。
レトロなルビィオーブン(天火テンピ)が超かわいい。
102型かなー。この色、この形、超かわいいー。
謎の瓶・・・
もしかしてKo…(以下自主規制)でしょうかね?
期待して次の話を待ちます!
わー。楽しみ楽しみ!
Rubyのオーブンですが、いくつも種類があるのですね。知りませんでした。
謎の瓶ですが、特に面白いことはないと思うので、期待は出来ないと思います。
また、「Ko…」ですが、僕にはピンとくるものがありませんでした。
なんですかね?