[Diary:591]
(私事ですが、)僕は古道具屋みならいなので、他県の骨董市に行くことも仕事としてカウントすることに決めました。
骨董市やフリーマーケットなどは、開催時間の前に出店者同士で売り買いされることも珍しくないので、ほしい物を買うためには兎に角早い時間に現地入りしなくてはなりません。
誰もが同じだと思いますが、特に冬の早起きは辛いです。
目覚ましが鳴り出した瞬間のストレスは堪りませんでしたが、今日は師匠に教えてもらった、ちょっと遠方の骨董市まで行ってきました。
今日の目的地
「ララ岡谷」長野県岡谷市中央町1丁目1
骨董市までのドライブ
セブンイレブンで朝ごはん
今日は長野県で開催される骨董市へ向かいます。
長野県へ向かう道中には、歴史を感じさせる建物が多いので面白いです。
ここは上諏訪という駅ですが、派手なイルミネーションが特徴で、夜になるとまるでお祭りのようです。
諏訪湖に面したセブンイレブンで休憩をとりました。
暖冬の今年は、とても御神渡りを見ることは出来ないと思います。
「御神渡りとは?」
“冬期に諏訪湖の湖面が全面氷結し、氷の厚さが一定に達すると、昼間の気温上昇で氷がゆるみ、気温が下降する夜間に氷が成長するため「膨張」し、湖面の面積では足りなくなるので、大音響とともに湖面上に氷の亀裂が走りせりあがる(プレッシャー・リッジも参照のこと)。諏訪湖#御神渡り“
諏訪湖のセブンイレブンでは、「おしりたんてい」なる謎本を推しているようです。※初見でした。
うまく撮ることが出来ませんでしたが、「下駄スケート発祥の地」と書かれています。
諏訪湖のセブンイレブン近くにある諏訪湖博物館には、このような石碑が建っています。
※実は以前に市場で、この下駄スケートなるものを仕入れたことがあります。外国人の物好きが飛び付くに違いないと期待していたのですが、今のところはまだ売れていません…。
“下駄スケートとは、下駄に刃(ブレード)を取り付けた日本独特のスケート靴である。現在の一般的な革製のスケート靴が広まる以前に日本国内で広く使用された 下駄スケート – Wikipedia“
ララ岡谷骨董市
ララ岡谷で開催される骨董市は今回が初めてだったので、たどり着けるか心配でしたが、ビルのてっぺんには「lala」という大きな看板が出ていたので、迷うことはありませんでした。
これは地方の良いところなのですが、駐車場も「Free」とのことです。
4階の駐車場からエレベーターに乗り込みます。
エレベーターの中は年季が入っているだけではなく、セロテープの残骸や手垢のような汚れが顕著で、ちょっとだけ不安が募りました。
1階に到着しました。
リノリウムの床と閑散としたフロア、こころなしか暗く感じる照明は、僕の足取りを重くさせました。
確かにリサイクル品のようなものが売られていますが、ここが骨董市とは思えませんでした…。
これは師匠からの挑戦状、もしくは目利きの為の試験なのかもしれないと思い直し、兎に角フロアを一周することにしました。
お買い得なマンガ本や服があるのかもしれないと手に取ったりもしましたが、これといって目を引くものは見つかりませんでした…。
堪りかねて店員さんに、「骨董市はここで間違いありませんか?」と尋ねると、目当ての骨董市は2階で開催されていることを教えていただきました。
勘違いから、僕は全く関係のないフロアでリサイクル品や遊戯王のカードなどを眺め、時間を浪費していたようです。
初見殺しのとんだトラップです。
骨董市は2階ということなので、階段で登ろうにも立ち入り禁止のテープが貼られていて進めませんでした。
エスカレーターもこの通り不通です…。
「うぇーい」
次第に夢を見ているような気分になってきました…。
『もう帰ろうかな…。』とエレベーターに向かうと、なんとそこには「骨董市」の文字が燦々と輝いていました。
初見殺しが続きましたが、どうやら骨董市への道はエレベーターにあったようです。※初見さんは気をつけて下さい。
骨董市会場
誰がなんと言おうが、ここが師匠に教えてもらった骨董市です。
ここにいる人の半数は出店者なのかもしれませんが、案外お宝はこんなところに眠っているのかもしれません。
自分を鼓舞し、一つ一つ丁寧に見ていくことにしました。
盆栽や石、掛け軸や壺など、玄人向けの品が多い印象でしたが、皆さん暇なのか、とても丁寧に商品の説明をしていただくことが多く、また大幅な値引きなどもあったりして、気がつくと両手は掘り出し物の入ったビニール袋でいっぱいになっていました。
活気のある骨董市とはいえませんでしたが、僕にとっては面白いものが多くて面白かったです。
今後の日程なども調べて、出来る限り通いたいと思っています。
(ララ岡谷について色々と書いてしまいましたが、本当に楽しかったです。)
買ってきたもの
※どれも安いものばかりです。
店主曰く、金太郎に倒されたクマだそうです。
※痺れるほど愛嬌のあるクマだと思います。
現在だとプラスチック製のものが主流だと思いますが、これは常備薬入れの空箱だそうです。
「これがかの有名なぶんぶく茶釜か!」とおもむろに手に取ったのですが、、
「これは灰皿ですよ…」と優しく訂正されました。
これは自分のご飯茶碗にしようと購入しました。
ここの店主は、夏茶碗だとか冬茶碗だとか耳慣れないことを呟いていたので、僕はなんとなくで相槌を打っていたのですが、後になって調べてみたところ、なんとこれはお茶を飲むもので、茶道具の一つだと判明しました。
まぁ聞かなかったことにして、僕はご飯を盛り付けようと思っていますが、店主は、「江戸茶碗」とも言っていたことが気になりました。
まさか江戸時代の茶碗とは思いませんが、もっとしっかりと聞いておけば良かったと反省しています…。
これは「風鎮」というもので、掛け軸などに垂らして高級感を高めようというものです。
とはいえ使い方は何でも良いと思っているので、特に外国人に対してはどのようなアプローチであれば売れるのかを良く考えなくてはなりません。
日本ではもう欲しがる人も少なくなっているようですが、これはしっかりとした赤漆の杯です。
まさかというような値段で売ってもらえたのでラッキーでした。
修復跡がありますが、明治時代の高坏?です。
店主は修復しようと手を付けたけど途中で面倒になってしまったようで、この状態で売ることにしたそうです。
手間な分だけ安く買うことが出来たので、僕としてはラッキーでした。
修復跡を削った後は、漆でも塗ろうと思っています。
杯を乗せるものだと聞いているのですが、こんな感じで良いのでしょうか…?
おまけ:はるみ
長野からの帰り道、いつもの馴染みある道路でとあるトラックを発見しました。
ここは以前に一度だけ立ち寄ったことがある、たまにだけオープンしていている地元のお店(プレハブ)です。
僕はここの「はるみ」というみかんのファンなのです。
久しぶりにオープンしていたお店の前には、大きく「ハルミ入荷」の文字が出ていたので立ち寄りました。
店主に、「これ釣ったんですか!?」と聞くと、「知らねぇ、もらったんだ。」とのことでした。
「凄いストーブですね、写真撮っても良いですか?」と聞くと、「おお、いいぞいいぞ、欲しかったら世話するぞ!」と言ってもらいました。
1m以上の薪が入るというので、これは便利なストーブだと思います。
※確か6~7万円くらいだと言っていました。
約2kg入っています。
これで550円なので、「安売り天国」という名前は伊達ではありません。
「ぱかっ!」
「ぐりん!」
※裏返すことに意味はありません。
「…」
※酸味が少なくて甘くて、とても美味しいみかんでした。
おしまい。