37.伸びきったサーマルシャツとキッズサイズのウールセーター

布団から出たくないと思ったのは久しぶりです。

曇り空の今朝は目覚めが良くないだけではなく、何事かと思うほど寒く感じられました。

ロフトから降りて直ぐに薪ストーブに火を入れます。朝からストーブを焚くなんて今年に入ってから初めてかもしれません。

一体何度なのかと小屋内の温度を確かめると、「16℃」でした。

幸せだと思ったり、不幸だと思ったりすることと同じように、体感温度というものも、そのギャップに苦しんだり喜んだりするものなのだと身をもって学びます。

前日の日曜日は思った通りに休むことが出来なかったし、今日は天気も良くないので、本日を休養日にしようと決めました。

好きなこと、やりたいことは何だろうと考えたとき、いの一番に浮かんだのは「直火タイプの薪風呂」でした。

繰り返しになりますが、何時に目を覚まそうが睡眠時間が短ければその日は一日中眠いし、室温が16℃あったとしても暖かかった前日とのギャップが大きければ、これはやはり寒いと感じるのです。

さっそくガスバーナーとひと抱えの薪をもって薪風呂に向かいます。

一応20Lタンク2つを持って水汲みに行ったのですが、前回の風呂の後にお湯を抜いていなかったので、注ぎ足さなくても湯量は十分でした。

追い焚きという機能があるように、毎回新しい水に取り替えることもないと思ったので、新しい水を20Lだけ追加し、残りの20Lは熱くなりすぎた場合の保険として風呂桶近くに置いておくことにしました。

明るい時間に入る風呂というのも贅沢なもので、幸福度の跳ね上がりを感じることが出来ましたが、明るいだけに囲いに使ったタープの汚れが目立ち、これは玉に瑕だとがっかりしました。

ただ、がっかりしたところで仮設のお風呂に使うタープを新たに買おうとは思えません。今はまだ我慢の時だと目を細めたり、お湯の中に顔を埋めたりしてやり過ごしました。

この直火タイプの薪風呂は熱効率が格段に良いようで、炉床の薪が全て熾の状態になっているというのに、お湯の温度上昇が止まりません。

結局保険で置いた20Lの水は全て使い切ってしまいました。

汗が吹き出すくらい温まった身体で小屋に帰ると、小屋は小屋で薪ストーブが焚かれているわけで、これはもう寒かった朝のことを思い出すことが難しいくらいです。

それでも湯冷めしたくはないので、洗って天井に吊るされたままだった衣類を適当に選んで着たところ、サーマル素材のロングスリーブは指が全部隠れてしまうくらいに伸び切っており、その上に合わせたウールのセーターに至っては、お湯を使って洗うコインランドリーのお陰でキッズサイズにまで縮んでしまっていました。

鏡に映った自分の姿をみて一言、「これが現実か…。」

ただ、伸びきった袖をロールアップし、上からジャケットを着れば隠れてしまうので、そのようにして近所の商店へアイスクリームを買いに行きました。

アイスを食べながら車で軽く山道を走ると、落葉して見窄らしくなった林道には沢山の倒木や落石があり、非常に汚なく感じました。

これもオフシーズンの避暑地のリアルな姿なのです。

小屋に戻ってからは、直火タイプの薪風呂のことを記事にするために先ずは手書きで設計図を書くことにしました。

設計図というものは元来、何かを作る前に作成するものではないのかと複雑な気持ちになりました。

これは端に設計図と呼ぶよりは、「事後設計図」もしくは、「あとだし設計図」と命名した方が分かり易いのではないかと、そんなことを考えながら数少ない父親の遺品である定規と、気に入って使っている繰り出しタイプのシャーペンで、チラシの裏にコンクリートブロックの絵を書き込んでいきました。

 

・ソフトクリーム:130円(普段安いスーパーで買い物をしているせいで、定価販売?の商店が高く感じてしまいます。)

【LED照明点灯時間:∞】

 







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