目を覚まし最初に発した言葉は、「ひどい…」でした。
これまでにも強風に怯える夜というのは数え切れないほど経験してきましたが、夜が明けて恐る恐る庭に出てみると、いつもは決まって大した被害もなく、ほっと胸をなでおろすことが通例となっていました。
しかし今日は様子が違いました。
隣接する農作業小屋との境に作った、4つに分けられた薪棚全てが、昨日の強風によってなぎ倒され、中に入っていた薪の殆どが崖下に落ちていたのです。
底面は4つに分割していますが、柱を共用にしていたり、天井で全てを繋げていたりしたので、どれか一つでも倒れたら連帯責任のように全ての薪棚が倒れてしまう作りだったのです。