幸せを掴み取った者の末路…。

目覚まし時計の凶悪ノイズで叩き起こされることもなく、今日も穏やかな気持で目を覚ますことが出来ました。

この奇跡を当たり前のことにはしたくなかったので、僕はいつしか目覚めの瞬間に幸せを噛みしめるようになっていました。

 

お金は無いけれど、眠れない夜に怯えたり、ストレスフルの目覚めだったり、満員電車でみくちゃにされたり、嫌いな上司にも気を遣わなくてはならなかったり、自分の将来が見えてしまった気がして落ち込んでしまったりすることもなくなったので、僕はこれだけでも十分に幸せだと感じてしまうのです。

これまでの生活がキツかった反動で、今の生活を幸せだと錯覚してしまっているだけなのかもしれませんが、不確かな中で唯一信じるに値するのは、自分の本音、つまり僕がどう感じているかということだと思うので、それでいえば僕は、やっぱり幸せを掴み取っていることになるのかもしれません。

後はこの幸せをいかに繋ぎ止めておけるかということになりますが、分かりませんが、案外これこそが難しいのかもしれません。

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