焼夷弾の落ちた夜

起床後、庭の状況を見て回り、

『危なかったけど、、また乗り越えることが出来たな…。』

そんな感じのことを心の中で呟いていました。

綿雪のようにふわふわとした軽い雪は、巨木の葉の上をステージにして、競うようにうず高く積み上がっていきました。

すぐ隣の家を見通すことも出来なくなった景色をみて、僕は日に何度も『きれいだな…』と呟きました。

 

その日は無風だったので、上空の雪はいつまでもその高さを維持し続け、夜を迎えました。

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