読書のすすめ

僕は落ち着きがありません。

お察しの通り、落ち着きのない者は読書に不向きです。

そんな落ち着きのない僕でも、これまでに本を読むことが一番の楽しみで、夢中になれた期間が何度か訪れました。

「訪れました」と書きましたが、もしかしたら自らそうなるように「仕向けた」と書いても良いかもしれません。

今日は、僕と「本」との最初の関わりから、読書に没頭できた特別な「6つの期間」のことを書こうと思います。

幼少期から少年時代にかけての読書といえば、親が買い与えてくれた偉人たちの伝記シリーズや、百科事典などでしたが、僕に比べれば優秀だった姉や兄とは違い、僕はそれらに殆ど手を付けず、同じ本棚に揃えられていた手塚治虫のマンガ本を読んでいました。特に「火の鳥」が楽しかったです。

親が揃えた本の中で読んだものとしてかろうじて覚えているのは、シートン動物記という、「オオカミ王ロボ」が出て来るものです。読了後は非常に不快な気持ちになったという記憶が残っています。

他に読んだ本といえば、読みやすさという点では現代のラノベとよばれるような、挿絵の入った本くらいしかありません。

気になって調べていましたが、一番年上の姉が子供の頃に読んで面白かったからと与えられた、「ハレー探偵長シリーズ」や、これは兄のお下がりですが、「ズッコケ三人組」「はれときどきぶた」を読んだことがありました。

これもお下がりだと思いますが、ふと思い出したのは「きつねのこシリーズ」という絵本です。おそらくこれが僕のもっとも古い「本」の記憶だと思います。

幼少期の僕は、キツネのぬいぐるみを片時も手放さないような、ちょっとディープなところがあり、キツネ繋がりでこの絵本も大事にしていたのです。今にして思えば、キツネというところが少し怖く、これはある意味でキツネに憑かれていたと言えるのかもしれません。

キツネのぬいぐるみについて少しだけ触れますが、このぬいぐるみには特に名前はなく、たんに「キツネちゃん」と呼んでいました。よく兄に取り上げられ、鼻をゴリッと内側に押し込まれ、僕は度々泣かされました。

僕のヨダレや手垢で真っ黒の汚い、目玉の取れかかった「キツネちゃん」は、いつかの引っ越しのどさくさに紛れ、捨てられてしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

今でも調べれば出てくるのだから、情報を蓄積していくインターネットというものは凄いですね。

 

さて、僕が読書に夢中になれた期間ですが、およそ「6回」訪れていたことが分かりました。一つ一つ詳しく書くと終わらなくなるので簡単にまとめます。

1.母の生家である新潟県の田舎に預けられていた期間

2.静岡県で農業や福祉体験をしていた期間

3.長野県にある保養所で住み込みのアルバイトをしていた期間

4.海外にいた期間(バックパッカー時代)

5.猫を飼いだしてから就職するまでのフィクションを書いていた期間

6.小屋暮らしを始めてから現在に至るまでの期間

どうでしょう、落ち着きのない者でも読書が出来るというのは、殆どが制約のある環境だった期間だと分かります。

「1.」~「4.」に関しては、TVもインターネットもない環境です。「5.」は特殊ですが、現在の「6.」も、インターネットはかなり制限のあるものだし、TVはやっぱりありません。

こんなにも自分を追い込まなければ読書すら出来ないのですから、やはり僕は注意力散漫な、落ち着きのない男なのです。

しかし、このように自分に制約を課さなくては読書の一つも出来ないという現代人は多いのではないかと思います。

これは僕の持論ですが、人は環境を変えなくてはそう簡単に変われません。逆を言えば、環境が変わればいとも容易く人は変わります。

僕はそう思っています。

 

・グリーンダカラ:130円

【図書館】
【LED照明点灯時間:∞】