いくつかある”天職”のうちの一つ|抱き合わせで付いてくる不穏な品々

[Diary:515]

・昨日

蒐集の趣味が高じて、遂にはそのコレクションを収蔵するための資料館や美術館を建ててしてしまう人がいるようです。

そのような施設から、イギリスのハイエンドスピーカーが出てきたそうで、昨日はそのスピーカーを売るために、師匠と関東のとある道具市場まで行ってきました。

 

古道具と大きく括っていますが、骨董から美術品、大工道具から電化製品、玩具や家具、書籍やマニア向けのものなど内容は多岐にわたるので、売りたい品に合わせた市場選びをしなくてはなりません。

今回お世話になる市場には、年齢が若くインターネットだけで商売をしている人も多く集まるそうです。

そのため師匠は、ハイエンドスピーカーの他にもウルトラマンのソフビやキンケシ、聖闘士星矢のクロスや名前も知らない大昔の戦隊ヒーローのレトロ玩具なども持ってきたそうです。

 

品物の搬入が終わってしまうと、その後は競りが始まるまで暇になってしまいました。

暇潰しがてら、近くのショッピングモールでご飯を食べることにしました。

 

和食、中華、イタリアンの誘惑を振り払い、インドのカレー屋さんに入りました。

 

店舗の奥の方のボックス席に座ると、壁には立派なナタラージャ(ダンシングシヴァ)が祀ってありました。

 

チャイ(香辛料の入った甘いミルクティー)

 

僕は野菜カレー。

 

師匠はチーズカレー。

 

店内の雰囲気は、ちょっと小さめのファミリーレストランといった感じで、肝心の味も、残念ながら普通でした。

 

・本日

昨日は帰宅するのが真夜中になってしまいました。

師匠が競りに出したスピーカーや玩具は予想以上に高騰しました。

僕は競りで細々としたものだけを落札しました。

 

僕よりも若そうに見える人たちが、5000円スタートと始まった玩具に、いきなり10万、20万円と入札していく姿に驚きましたが、同時に刺激も受けました。

僕も頑張らなくてはなりません。




これは沖縄(やちむん)の古いお皿です。

作家の銘が入っていなかったこと、入(にゅう)どころか一度完全にバラバラに割れてしまった皿を接着剤でくっつけたものだったので、僕のような駆け出しにもなんとか落札することが出来ました。

これは売り物ではなく自宅用です。

 

 

・抱き合わせで付いてくる不穏な品々

 

市場には、発句人というファシリテーターのような人がいるのですが、この発句人は、商品が売れずに残ることを極力避けるように工夫してくれます。

具体的には、人気の品に不人気な品を抱き合わせにして売ってくれるのです。

 

ブランコに乗るピエロ

どこかにぶら下げて使うようです…。

要りません。

 

謎の未開封タバコ

やたらに長いし、タバコは未開封でも時間が経つと吸えないくらいに不味くなるそうです。

開封してみたい気持ちもありますが、基本的にはこれも要りません。

 

顔がリアル過ぎて怖い、中国?の木彫り人形。

普通に要らないのですが、今どきのフィギュアにも負けないくらい豊かな表情をしていると思います。

 

お次は山小屋です…。

 

これは要らないな、、と思ったのですが、屋根を持ち上げるとメロディーが流れ出しました。

山小屋と書かれているのは仮の姿で、実はオルゴールだったのです。(それでもやっぱり要りません。)

 

りゅうすけのめんこです。

見たことのないキャラクターがたくさんいました。

古くて替えのきかないものは貴重ですが、しかし欲しいという人が現れるかどうかはまた別の話です。

こういうのは値段設定が難しいです。

 

抱き合わせの謎商品が増えて来ましたが、来月は師匠の口添えでフリーマーケットに出店が出来るかもしれないので、その時に全部売ってしまえたらいいなと思っています。

 

自分の目利きを信じて仕入れし、自分で勝手に値段を決めて販売するというのは、(未熟な分)時に怖くなることもあるのですが、凪のように平坦に見えて実は窒息するほど息苦しかったサラリーマン生活と比べると、(貧乏にはなりましたが、)自発的だし刺激もあるし、もしかしたらと思えるような夢もあるので楽しいです。

これもまた一つの天職だと信じ、これからも頑張っていこうと思います。

 

おしまい。



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