[道具屋]02_師匠も興奮する東京の大邸宅でトラブル発生!?

[Diary:487]

前回:[道具屋]01_師匠も興奮する東京の大邸宅でトラブル発生!?

早朝に起き出し、先日の夜にレンタルしておいたハイエースで師匠宅へ向かいました。

9割方遅刻する師匠ですが、この日はすっかりと出発の準備が整っていました。

今日の師匠は何かが違うようです。

 

ハイエースで慣れない高速を走るのも緊張しましたが、目的地のすぐ側の細道もまた、神経を使いました。

何はともあれ無事に現場まで到着したので、前回同様コインパーキングに駐車しました。

解体屋さんが家の取り壊し作業を進めるなか、僕らも荷物の運び出し作業に着手しました。

運び出しやすいように、先ずは玄関前にダンボール詰めをした荷物を重ねていくのですが、ここ最近の暑さによって、開始5分で既に汗だくでした。

今日はハイエースの荷台の僅かなスペースに、1975年製のワインを2箱と、あわよくば高級炭を載せてもらうことを夢見て、重量のある書籍を中心に、2階から、リビングから、金庫室からと、あらゆる場所から目ぼしいものをダンボールに詰めては、1階の玄関前まで運びました。

金庫で保管するような書籍だけでも凄いと思うのですが、このお宅には掛け軸や焼き物などもあったので、師匠は話しませんが、きっと買取額も相当なものになったのではないかと想像します。

 

荷物を運び出している横では、家の解体も並行して行われます。



 

 

僕が顔を真赤にして荷物を運んでいると、唐突に見知らぬ坊主頭の男(40歳くらい?)が現れ、そして僕らを見るなり言い放ちました。

 

「荷物の運び出しを止めて下さーい!」

 

最初は何を言っているのかわからなかったのですが、男曰く、この家の中には、資料館や美術館に並べなくてはならないような、非常に貴重な物がまだ残っているかもしれないというのです。

万が一、僕らが運び出そうとしている物の中にそのような物があったら大変なので、一旦全ての箱の中身を調べさせろと言ってきたのです。

 

師匠は坊主頭の男に、

・自分たちは解体屋さんに頼まれて、残置物の片付けのお手伝いをしている

・解体屋さんからは何も聞いていない

・もう始めてしまっているし、急いでいるから困る

 

概ねこのようなことを坊主頭の男に伝えました。

 

しかし坊主頭の男は師匠に、

 

・これだけ大きな家だと、うるさく言う親戚も多い

・そっちの立場(僕らのこと)も分かるから、全部寄越せとは言わない。その代り良いものだけは渡してもらう

・出来る譲歩はここまでだ!

 

男は概ねこのようなことを言っていました。

 

このままでは埒が明かない、、というか、相手の熱量に押され、このままでは全て持って行かれると師匠は危惧したのかもしれません。

助けを求めるようにして、依頼主である解体屋さんに電話をすることにしました。

 

現状を伝えると、解体屋さんも青天の霹靂といった感じで驚いていました。

最終的には電話口の解体屋さんに坊主頭の男を引き継ぎ、直接話し合ってもらうことになりました。

 

解体屋の言い分としては、

・家の中の残置物に関しては、もうお客さんの物ではなく、既に権利はこちら側に移っている

 

このようなことを言ってくれたのですが、どうやら雇い主と親戚の間にもパワーバランスがあるようで、強くは言えないようでした。

 

坊主頭の男は、相手が解体屋さんに代わっても主張は変わらず、譲歩する気はさらさらないようでした。

 

紆余曲折を経ましたが、結局は僕らが集めた荷物は一つ一つ封を開けられ、壺や掛け軸、書籍や棚など、貴重と思われるものはことごとく抜かれてしまいました。

 

張り切っていた師匠が気の毒に思えてきましたが、なんと災難はこれだけでは済みませんでした…。

 

まさかとは思いましたが、僕が楽しみにしていた1975年製のワイン2箱までが没収されてしまったのです…。

暑さとショックで、僕は膝から崩れ落ちました…。

 

続く…。



“[道具屋]02_師匠も興奮する東京の大邸宅でトラブル発生!?” への2件の返信

  1. これは片づけ現場あるあるですね。
    私のバイト先でもこういう現場に入ったりしていましたが
    いきなり「自称親類」の男性が現れて
    中身の物色をさせろと言ってきたことがありました。
    現場の家は施設に入るお年寄りの家で
    私たちもすでに後見人の弁護士さんから
    許可をとり中身の権利を譲り受けていました。

    男性はなかなかその場を去らずに脅しめいた口調で物凄く怖かったんですが
    私たちもどうしていいか迷っておりました
    師匠は「はい、そういう事なら弁護士さん通して
    裁判所の停止命令持ってきてくださいね」
    と全然男性を怖がっていない状態で。
    「それ以上邪魔すると威力業務妨害になるから気を付けて下さいね」と。
    後日彼は親類でもなんでもない
    近所のおじさんだったと判明したというおまけがつきました。
    テロルさんのその人も、本当に財産の分与に預かるような
    そういう親類だったんでしょうか・・・。
    実はまったくの他人だったりしてw

    1. さすが鋭いですね。

      実は解体屋さんからお客さんに聞いてもらったのですが、誰かに買い取りを頼んだことはなかったそうです。

      非常に参考になりました。ここぞという時には真似をしたいと思います。

      厳しい世界ですが、経験を積んで頑張ろうと思います…。

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