古物市場に潜入|符丁を覚えて競り落とせ!

古物商の免許所持者しか参加出来ない、通称“市場”と呼ばれる会場に、師匠のお手伝いとして潜入できることになりました。

市場の開始時間は9時と早く、余裕を持って目覚ましをかけましたが、一度では起きることが出来ませんでした。

朝は忙しくて自炊が出来なかったので、朝ごはんはコンビニで済ませることにしたのですが、糖質の控えめな商品が売られているということで、わざわざ回り道をしてローソンへ寄ったり、予想外の渋滞に巻き込まれたりしていたら、師匠との待ち合わせ時間にとても間に合わなくなってしまいました。

時間をお金で買うしかないと、急遽高速道路を使うことにしました。

ローソンは、糖質を制限している人に心強いコンビニです。

 

合流する時、高速を降りる時、普段あまり利用しないので、高速を使うときは未だに緊張します。

 

さすがは有料の道路です。

カーナビの到着予想時間が、師匠との待ち合わせの時間にまで短縮されました。

 

 

※市場にはそれぞれ個性があるので、これから紹介することは、極一部の市場にしか当てはまりません。

※古物商の免許を持たない僕でも、お手伝いとして潜入出来るくらいなので、今日の市場は比較的ルールのゆるい会場です。

まず市場のルールについてですが、写真撮影が出来ません。

仕入れ先や仕入れ値については他言しないというのが暗黙のルールとしてあるようです。

市場では、一人あたり2千円とか2千5百円程度の参加費を払います。(※お昼にはお弁当とお茶が出ます。)

また出品した商品が売れると、会場によってまちまちですが、数%~10%程度の手数料が生じます。

そして知っておいたほうが良い独自のルールとして、「符丁(ふちょう)」があります。

市場での商品の売買は、全て競り方式で行われるのですが、購入希望額を伝えるの際の宣言時に、ちょっとした暗号のようなものを使います。

これが「符丁」です。

しかし全員がこの符丁を理解している訳でもないようで、間違えたら罰があるとか、競りからつまみ出されるということはなく、また、符丁で宣言する人もいれば、普通に「千円、二千円」と宣言する人もいました。

符丁の例

発句(ほっく):開始価格

千枚(せんまい):1250円

十貫目(じゅっかんめ):1650円

百貫(ひゃっかん):3500円


※まだまだたくさんあるので、今後勉強しようと思っています。

 




市場が開催された場所は、知らなければとてもたどり着けないような、周囲には畑くらいしかないような場所で、幾つものテントや穴の空いたトタン屋根のブース、そしてその奥にはちょっとしたプレハブのような場所があり、その中にもその日出品される商品がびっしりと並んでいました。

市場に仕入れに来る人は、開催時間の9時よりも早くに会場入りし、その日出品される商品の下見をするそうなのですが、僕らが到着したのは、開始時間の10分前くらいだったので、ざっと見回すだけで、直ぐに競りが開始されました。

 

15~20程度のブースの前に車輪付きの大きなテーブルが横付けされ、発句人(競りを司る人。ファシリテーターのようなもの?)が手近な商品をテーブルの上にのせ、500円とか3000円などと発句価格(開始価格)を宣言し、競りが始まります。

ざっとこんな感じで次々と競りは進み、師匠が持ってきた大量の商品は、なんと全てが落札されていったのです。

僕は大きな車輪や鉢が欲しいと思ったのですが、案の定?会場の雰囲気に圧倒され、結局一つしか落札することが出来ませんでした。

 

唯一落札したもの。

恐らくお店でカレーなどを入れておく為に使われていた洋銀の器&お玉と、器具の滅菌に使われる装置のセットです。

※全く関連しない商品でも構わず、一山幾らといった感じで値段が付けられていきます。

洋銀(ようぎん)、ニッケルシルバー(英: nickel silver)、ジャーマンシルバー(英: german silver)などの別名を持つ。 また、スペイン語ではアルパカ(西: alpaca)と称される。 洋白 - Wikipedia

 

 

市場は午前中で終わったので、その後はまた師匠と、例のお屋敷から荷物を運び出しに行くことになりました。

今日はこんなに立派な棚をお駄賃代わりに頂いたのですが、この大きさの棚なので、当然ながらジムニーでは運べませんでした。

僕の師匠は、(動物には特に)優しいので、我が家までこの棚を運んでくれたのです。

当然ながら僕が住む小屋を見ることになった訳ですが、「かわいいね!」「面白そう!」などと、この暮らしのことを好意的に受け入れてくれたので、安心しました。

 

今日もらってきた物&市場で落札したもの

まな板や、ダッチオーブンのように見えるけど、シフォンケーキを焼くためのものと思われる器や、とても古いコップたちやかき氷と相性の良さそうな器、袖のない外套?のようなものなどをいただいてきました。

 

おまけ

価値があると分かっている物でも、僕が欲しそうに見ていると、師匠は高確率で譲ってくれます。

また、大した距離でもないのに、しょっちゅう高速道路を利用します。

動物に優しいので、ボランティアで市場の犬たちにフィラリアの検査をしてやったり、不憫な犬猫を引き取ったりしています。

 

気前が良いな、太っ腹だなと憧れますが、今日の市場での売上を聞かされた時、その理由が分かったような気がしました。

しかし買い付け時の話を聞くと、本当に元が取れるのだろうかと心配になってしまうくらいの金額が飛び出すので、驚くくらいの売上があって然るべきなのだとも思いました。

今日は大きなカルチャーショックを受けた一日でした。

 

おしまい。



“古物市場に潜入|符丁を覚えて競り落とせ!” への2件の返信

  1. >袖のない外套
    インバネスかしら?それともクローク??
    シャーロックホームズかはたまた間貫一か(笑)

    ざっと見た感じの時代を思えば「とんび」かもしれませんね

    1. 助かりました。

      教えてもらった様々なワードで検索をしたところ、インバネスとか、とんびと呼ばれる外套だと判明しました。

      僕が持って帰らなければ産廃業者に破棄される運命にあり、不思議な形の服だと思ったのですが、見るからに素材の良いものだったので、持ち帰ることにしました。

      外国人に売れなかったとしても、温かくて動きやすかったので、部屋での防寒着として着る可能性が出てきました。

      しかし、鏡に写った自分の姿は、ちょっと不審者っぽく、夜道で出会ったら怖いだろうなと思いました。

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