地続きの悪夢と辛口コメンテーター

大雨が降ると我が家のトタン屋根がその存在を強く主張し始めます。

そして強風が吹けば「バタバタバタ…」と、巨大な赤松の葉から雨の雫が落下してきます。

昨日はかなりの大雨が降ったので、案の定?悪夢をみました…。

 

学生時代にやっていたアルバイトがベースにある夢のようでした。

僕は大中小の車を乗り分け、企業・個人宅と区別することなく荷物を受け取りに行く、「集荷」という仕事に数年間従事していたことがあります。

出発地である事務所から、これから回らなくてはならない先を地図で確認し、自分なりにルートを決めていくのですが、タイミングを計ることなく、車を運転中にも次々に集荷依頼の電話が入ることがあるので、その都度ルートを練り直さなくてはなりませんでした。

僕がこのアルバイトをやろうと決めた一番の理由は、取得したけど使うことのなかった運転免許を活かし、運転技術の向上を図りたかったというのと、生粋の方向音痴を克服したかったからです。

これは方向音痴にしか分からないことかもしれませんが、迷子になっている時に次々と新規の入電があったりすると、現実逃避したくなるほどテンパってしまいます。

常に時間に追われているような感覚でいるので、どうしてもミスが多くなります。

また方向音痴と対極にいるような人には、僕の頑張りや努力が伝わることはありません。

そして職場には僕と同じように方向音痴の者は一人だっていませんでした。

僕には相性の悪い、地獄のような仕事内容だったのですが、もっとも長く続けたアルバイトでもあり、また、唯一表彰された職場でもあります。

※表彰されたのは、仕事の速さや的確さなどではなく、お客さんからの評判や、一時、集荷作業の傍らやらされていたセールス部門での成果が認められたからでした。

 

夢の中でも現実と地続きの大雨が降っていました。

僕は入ったばかりの新人です。

やっぱり集荷に出れば迷子になるようで、時間に追われ焦っていました。

集荷先はテレビで活躍する辛口コメンテーターが住むマンションの一室で、僕の上司は事務所でパソコンモニターに張り付いているYouTuberという狂った設定でしたが、僕はこれを夢として認識してはいないのです。

辛口コメンテーター宅の集荷を終え、一時事務所に戻ってみると既に19時を回っていました。

何故か僕は60Lほどのバックパックを担いでいて、何かの拍子に目の前の床に中身をぶち撒けてしまいました。

パッキングをやり直さなくてはならないのでウンザリしました。

まだまだ山積みの仕事があるので、この仕事は何時までにこなせば良いのか、遅くなっても大丈夫だろうかと、心配になってきます。

先輩のYouTuberは困っている僕に的確な指示を与えるわけでもなく、集荷依頼の電話が鳴り響いているというのに、モニターから顔をそらさずにチクチクと嫌味ばかりを言ってきます。

 

僕は勤務時間中だというのに、遂に癇癪を起こしてしまいました。

「もういい、夢終わり!!」

僕は夢の中で追いつめられたことで現実(夢?)逃避をし、現実に戻って来たのです。

 

目を覚ました僕はいそいそと雨水タンクの集水具合を確かめに小屋の外に出ました。

「夢で良かった…。」

心からそう思いました。

 







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