ギャンブルのような古道具市場|運否天賦では破綻する!?

全てがうまくいくときは、きっと歯車の様なものが過不足なく揃っている、奇跡的な状態なのだと思います。

少し前まで、ジムニーを手放すことに苦労をしていたのですが、いつも行くガソリンスタンドの店員さんが喜んで貰ってくれました。

車検が切れる前に譲渡が済んで良かったと安心していたら、その流れで店員さんから、僕がずっと欲しかった軽トラを安く譲ってくれるという方を紹介してもらったり、「少ないけど貰って!」とポチ袋をいただいたり、「薪ストーブに使って!」と、丸太を数本譲ってもらったりしました。

ポチ袋なんて小学生の頃に貰ったのが最後だったので、とても新鮮でした。

 

軽トラの運搬力は素晴らしいです。

(汚れているものでも、)気兼ねなく積み込めるところも最高です。

 

スタンドの店員さんは山を持っているそうなのですが、自分では薪ストーブをやらないので、切った原木があればまたいただけるそうです。

やはり地元の方とコミュニケーションがとれるというのは有り難いなと思いました。

 

思い入れの深いジムニーなので、大事に乗ってくれる人に譲ることが一番良いのだと無償で手放しましたが、そのことが起因して、次々と好転していったような気がします。

(誰が言った言葉なのかは分かりませんが、)「損して得取れ」とは良く言ったものだと思います。




古道具屋という商売は、古道具をどこかで仕入れて来て、(基本的には)仕入れ値以上の値段で売ることで生きていくものなのですが、仕入れてきたものがなんでも直ぐに売れるとはかぎりません。

時間を掛ければ売れるのかもしれませんが、それをするには、仕入れてきた古道具を保管しておける、広大なスペースが必要となります。

我が家にはそんなスペースがないので、ある程度経っても売れないものは、諦めて捨ててしまうか、古道具市場に持っていって、損することも覚悟の上で売ってしまうという決断も必要となります。

 

夏のキャンプ用品や、衣類、書籍、和物の古いものなど、市場や骨董市で買ってきたり、師匠の買い出しを手伝い、お駄賃代わりに貰ってきたものが主ですが、一度や二度、地元のイベントやフリーマーケットに出してみたり、『これは!』と思ったものはインターネットに出品してみたりした上で、それでも売れなかったものたちをまとめて、古道具市場に持っていくことにしました。

僕の中では、株やFXでいうところの「損切り」をしにいくような感覚でした。

市場ではいつも買うだけだったので、僕が売り手になるのは初めての経験でした。

どれも二束三文にしかならないと諦めきっていたのですが、さにあらず。

僕の持っていった物の中の何に惹かれたのか分からないのですが、中国人のバイヤーさんが張り切って入札してくれたのです。

 

蓋を開けてみれば、殆ど全てを売ることが出来たし、その売上高は、『もう市場で売るだけで良いんじゃないの?』と思ってしまうくらいでした。

ギャンブルでいえばビギナーズラックだったのかもしれませんが、考えてみれば、良い品を並べていたとしても、フリーマーケットにくるお客さんがその良さを分かるとは限らないので、それだったら、物の善し悪しの分かる人が集まるであろう古道具市場に持っていった方が安定することもあるのかもしれません。

 

古道具や古美術の業界では、「旗師(はたし)」という言葉があります。

旗師とは、自分の店舗を持たずに、各所の市場を巡り、売ったり買ったりして生計を立てている人のことを言います。

本当に目利きの出来る人であれば、旗師として十分な利益を得ることが出来るそうですが、しかし僕はまだまだ駆け出しなので、調子に乗ったらすぐにペロッと食べられてしまいそうな気がします。

それにフリーマーケットなどの、普通のお客さん相手に商売するのも楽しいので、バランスよくやっていこうと思います。

 

売れなかった不良在庫を持っていったつもりが意外にも儲かったので、今回の市場で仕入れてきた物は、実質タダみたいなものでした。

『古物業界、、うますぎる…。』

帰りの車内では気持ちが高揚してしまいましたが、これはまるでギャンブルにハマりつつある若者のそれと似ていると気が付きました。

欲にはキリがないということを肝に銘じて、自分なりの幸せを噛み締めつつ、運を天に任せるような生き方をしないように気をつけたいと思います。

 

次回は買ってきたものの反省や、メンテナンスのことなどを書こうと思っています。




“ギャンブルのような古道具市場|運否天賦では破綻する!?” への2件の返信

  1. 人も物も、大事にすれば心が通じるってのを目の当たりにしたような気がします。
    ジムニー君の恩返しですね(笑)
    愛せるものだけを手元に置いて、大事にしていきたいなと思いました。
    テロルさんの商品も、もしかしたら誰かの唯一無二の大切なものになる可能性があるかもって思うとワクワクしますね。
    一度見に行ってみたいなあ。
    修行を楽しんでください。

    1. ジムニーが様々なものに変化して戻ってきたような感じがしました。

      売って儲けなくてはならないのですが、自分が良いと思った物を仕入れてくるのでなかなか手放せないという問題がおきています。

      今夏はフリーマーケットに参加する予定なので、どこかで気が付かずにお会いしていることもあるかもしれませんね。

      修行がんばります。

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