気が狂わない為の標準装備|かえるの子はかえる

薪で沸かした湯船に肩まで浸かり、気持ちよくて目をつぶっていると、カラスとか土鳩だとかのユニークな鳴き声や、小鳥たちの心地よい囀りが聞こえてきました。

 

『都会で暮らしていたら味わえない瞬間だよな…。』

とか、

『大自然の中で入る風呂は、田舎暮らしの醍醐味なのかもしれないな…。』

などと思っていると、

 

「mu—」とか「vu—」といった、不快な重低音が混ざり込んで来ました。

 

そうなんです…。

この騒音は、隣の農作業小屋に設置された、巨大な冷蔵庫?の駆動音なのです。

一般家庭にある冷蔵庫の、何倍もの駆動音が鳴り響いてくるのです。

 

例えばラジオのチューニングがうまくいかず、「za—」とか「zizizi…」などのノイズが入ることがありますが、このようなノイズが取れない場合は、楽しみにしてたラジオですら、聴く気になれません。

僕が気持ちよく風呂に浸かっていても、隣の冷蔵庫が駆動し始めると、これと同じような気持ちになります。

しかしラジオのようにチャンネルを変えたり、電源を切ってしまうことは出来ないのです。

 

不可避のノイズに対応するには、一体どのような方法があるのでしょうか。

 

・耳栓をする

・ノイズキャンセリングヘッドホンを装着する

・順応する

 

ざっと3つの方法が頭に浮かびましたが、すぐに出来そうなのは、「・順応する」しかありませんでした。

 

インドの旅で少しだけかじった「メディテーション」の要領で、眉間の辺りに精神を集中していると、不思議と心が穏やかになっていくような感覚がありました。

夜道を歩いているときに、「ワッ!」とやられたときのように、唐突に僕の心臓が「ドキッ!」となりました。

思わず目を見開いてしまうくらいの、「ghuuuuu—!」という轟音が頭上から降って来たのです。

驚いて空を見上げると、上空には巨大な金属の塊が、ラインマーカーを引くように白色の尾を引いて、青色の空を横切っていくところでした…。

 

この世は音で溢れています。

こんな山奥ですら、鳥や虫や野良猫、そして風や川の音などがひっきりなしに音を撒き散らしています。

よく頭がおかしくならないものだなと思いますが、それもこれも自前のノイズキャンセリング装置が正しく機能しているということで、正常な人間が持つ順応力というものは、本当に素晴らしいなと思います。

そしてこんなことをダラダラと考えていられる日々は、なかなかに良いものだという実感も、年々深まっているような気がします。




おまけ

畑に植える苗を買いに来ました。

 

酷い夕食…。

 

崩れた古材を積み直すというハードな作業。

 

ステージ(ホタテの貝殻のこと)に立てば、エリンギもホタテ化するのだろうか…?

見た目は「○」だけど、味は「✕」でした。

※不味くはないのですが、やはりエリンギはエリンギでした。



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