ゴディバを持った怪しい女|市長に電気を引いてもらいたい

見るからに怪しい(失礼)女性が東京ナンバーの車でやってきて、ゴディバのクッキーを置いていきました。

 

「どういったご用件でしょうか?」

 

僕が問うと女性は答えました。

どうやら我が家の裏の土地を開拓して、太陽光の発電所を作ることが決まったというのです。

 

「嫌だ、駄目だ」と言う権利はないので、「はぁ…。」というくらいしか出来ないでいる僕に対して、『じゃあそういうことだから!』といった感じで、女性はさっさと帰っていきました。

 

小屋に戻り、渡された事業計画書に目を通してみました。

発電所と聞くと構えてしまいますが、要は太陽光パネルをズラッと並べたもののことらしく、特に常駐する人間がいるような大掛かりのものではないようでした。

 

しかし太陽光パネルの枚数が3~400枚というので、なかなかの規模になることが予想されます。

 

 

隣の農機具小屋から木霊する巨大冷蔵庫のモーター音、24時間点灯しっぱなしの投光器2灯、反対側からは大型動物が発する騒音と若干の悪臭に挟まれているというのに、今度は後ろに太陽光パネルがズラリと並ぶことになるというので、まあ、良い気持ちはしませんでした。

 

「隣人は選べない」とは良く言ったもので、僕が移住したばかりのころに受けた助言の中には、「周囲の土地を全部買ってしまえば良いんだよ」という大袈裟なものがありました。

 

この辺りは別荘の多い土地柄ということもあり、比較的裕福な人も散見されます。

お金持ちであれば土地の買い占めも現実的なことなのでしょうが、移住した時点で貯金が尽きかけてしまった僕のようなものからするとこれは、まるでマリー・アントワネットの「パンがなければお菓子(ケーキ)を食べればいいのよ」のように聞こえてしまいます。

 

『お、ゴディバだ!』と思って直ぐに食べてしまいましたが、クッキーはそれほどでもないように感じました。

どうせゴディバだったら、チョコレートが良かったです。



[おまけ]

 

 

“12歳のVíctor Martín君の家は極貧のためメーターを設置して電気を引くことができず、夜はろうそくの光に頼るしかないとのこと。”

“この話がメディアで大きく取り上げられた後、モチェ市長は直接Víctor Martín君を訪問して賞賛し、自費で電気契約のメーターを設置することを約束。このおかげでVíctor Martín君は宿題のために街灯の光を使う必要はなくなりました。”

街灯の光で宿題に励む貧しい少年が防犯カメラで撮影され話題に→市長が自費で少年宅に電気を導入 – buzzap

 

僕の見た目が「ネザーランドドワーフラビット」のように愛らしかったら、もしかしたらこの町の市長も僕の家にやってきて、電気を引いてくれたり、「仕事頑張れよ!」といったノリで、軽トラを探してきてくれたりしたのかな?などと妄想してしまいました。

先ずは本を片手に街灯の下まで行ってこようかとも思いましたが、そもそもこの辺りには街灯がないし、これをアピール出来る人も防犯カメラもありませんでした。

 

真面目に働きます…。



“ゴディバを持った怪しい女|市長に電気を引いてもらいたい” への8件の返信

  1. テロルさんのところは○○高原別荘地やら△△保養地みたいな場所ではないのですかね?うちの方は(長野県内です)建物の高さや敷地に対しての床面積やら建物の色?明るさなど色々と条例があるみたいです。あと管理人さんもおります。(管理費掛かりますが微々たるものです)、、、なのでそういった施設ができるなんて考えられないです。景観の問題もあるし。

    静かに暮らしたいだけなのに個人でそういう出来事に対処しなくてはいけないのってキツイですよね。。

    1. 管理された別荘地も多いのですが、僕が買った土地はただの山林です。
      管理人もいないので、特に制約もありません。

      移住当初は隣人もいなかったので、気楽にのびのびと暮らしていましたが、こういったものは運の要素も大きいようで、ここ数年で確かにキツくなって来たような気がします。

      小屋の中に閉じこもってしまえば平和ですけどね…。

    1. ここらへんにはこの手のソーラーパネルを使った発電所がとても多いので油断していましたが、ちょっと露出し過ぎたかもしれませんね。

      もう少し慎重に書いていこうと思います。

  2. 隣人に左右される人生 誰しもが否めないですね。

    倒木からの回避度100%と解釈すると・・・すばらしい。
    夏の反射光の角度で 炎熱地獄化が 回避できれば なにごともなかったよと。

    永住地は そうそう あるものでもなく、わたくしめは 自己都合99%で里へ
    おりておりますですね、1%活用して居るお山【やっぱ 物置】

    骨董で 成羽ウ途上で 店舗地という別軒を 未来に設置するのも 一つの夢の実現だし !!

    1. パネルの反射光と、パワーコンディショナーという装置の動作音を心配しています。

      敷地の後ろに出来るのですが、我が家の場合はまだ少し未開拓の山林が間に入る筈なので、案外気にならなければ良いなと思っています。

      当然パネルは南向きに設置すると思うので、キラキラと反射しなければ良いのですが…。

    1. 特に気になったのは、パワコンの騒音でした。

      隣の農作業小屋からの騒音だけでもストレスなので、実際可動した時の動作音を確認するまでは安心出来ませんね…。

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