[コンビニ]茶髪店員さんの営業力

髪の毛を明る目のブラウンに染めている、(恐らく)女子高生と思われるコンビニ店員さんとのやりとりの中に、ある気付きがありました。

 

先日の夜、僕はコンビニまでデザートを買いに行きました。

何を買おうかと悩みましたが、結局レアチーズケーキが選ばれました。

 

他にもお菓子などを買うつもりだったので、手にはコンビニの小さなバスケットが握られていたのですが、特に目を引くものが無かったので、バスケットの中にはレアチーズケーキ一つだけしか入っていませんでした。

 

僕は元来内向的(小心者?)な人間なので、こんな些細なことにも、若干の後ろめたさを感じていました。

 

レアチーズケーキが一つだけ入ったバスケットをレジのカウンターに乗せると、僕は財布を取り出し、ちょうどの金額を出せるようにと小銭を数え始めました。

 

それに対して茶髪の店員さんは、慣れた手付きでバーコードを読み込むと、レジの液晶に表示された金額を僕に伝え、そしてレアチーズケーキをレジ袋に入れました。

 

そしてそのタイミングで、店員さんは驚きの言葉を発しました。

 

「スプーンが切れてるので、フォークでも良いですか?」

 

店員さんは僕の返事を待つよりも早く、そのフォークをレジ袋に入れてから、ここで初めて顔を上げ、僕の顔を見ました。

 

 

僕が想定していたレジカウンターでのやり取りはというと、こんな感じでした。

 

「スプーンはお付けしますか?」

「いえ、結構です。」

 

僕は家(小屋だけど)に帰ってから食べるつもりなので、いつもレジでもらえるプラスチック製のスプーンやフォークは「いりません。」と断ることが常です。

それを「スプーンが切れてるので、フォークでも良いですか?」というように、会話の階層(段階?)を一つ飛ばされてしまったので、迂闊にも一瞬、思考を停止させられてしまったのです。

 

僕が固まっている姿をみた女子高生は、スプーンが無いことに僕が機嫌を損ねたと勘違いしてしまったのか、慌ててレジの引き出しを開け、『ほら、スプーンが切れているでしょ?』というようなジェスチャーを繰り広げ、そしてその後に、「申し訳ないです…。」と小さく呟きました。

 

思考停止から復帰した僕は、努めて明るく、

 

「あ、フォークで大丈夫ですよ!」

 

と返事をして、コンビニを後にしました。



僕が冒頭に書いた「気付き」とは、話の階層(段階?)を一つ飛ばすことにより、相手の思考を鈍らせ、『まぁいいか…。』と妥協させたり、自分の目的を果たすことが出来るようになるという、会話のテクニックになりうるかもしれないということです。

 

例えば…。

僕が古道具屋さんの店員だとします。

そのお店にお客さんがやってきて、銅製の薬缶を手に取り、まじまじと見つめているとします。

本来の僕であれば、

 

「銅製は熱伝導率が良いのでオススメですよ。」

とか、

「銀とか銅には抗菌作用があるので、キッチン用品には最適なんです。」

 

このようなセールストークを繰り広げると思うのですが、ここで先程の女子高生のテクニックを使ってみるとこうなります。

 

(銅製の薬缶を手に持ち、購入を検討していると思われるお客さんに対して、)

「すみません!いま紙袋を切らしてしまっているので、このビニールバッグでも良いですか!?」

 

まるでお客さんが銅製の薬缶を買うことが決まっているかのように、一つ階層を飛ばして会話を進めることで、お客さんは『ま、いっか。』となり、僕は銅製の薬缶を売ることに成功するかもしれないのです。

 

ただ一つネックになるのは、この押し売りかのようなやり方を、小心者の僕にはとても出来ないだろうということです。

 

※あくまでも妄想の話なので、先日のエイプリルフールの記事と同様、この記事も真に受けないでくださいね。

エイプリルフールの記事:Welcome!

 

女子高生とのやりとりにより僕の妄想が捗ってしまったので、つい書いてしまいました。

気楽に書こうと始めた日記ブログなので、特に後悔とかはありませんが、これを読む皆様のことを考えると、少し不安ではあります。

 





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