イレギュラーは楽しむものだと強がる男

坂道を登っていける距離には限度があるのだし、地面に足をついたとしても死んでしまうのは小学生の他愛もないルールの中でだけです。

誰もみていないというのにムキになって立ち漕ぎをしている男は、どうしても郵便局へ行かなくてはなりませんでした。

インターネット上のお店で注文が入ったら、次の日には発送しなくては気がすまないし、図書館で借りた本の返却日が迫っていることに気がついたら、どんなに遅くとも”車を走らせて”しまうような気の弱さは、その男の人生を一層厳しいものにしているのでしょう。

車を走らせて…?

男は車を持っているというのにどうして自転車で郵便局へ行くのでしょうか?

それは昨日、車の左ミラーを折ってしまったからに他なりません。

明日は週に一回のゴミの日だし、食材だって数日経てば底を突きそうです。

食材に関しては、最近は暖かくなってきたので冷蔵庫のない小屋では生物の備蓄が出来なくなってきているのです。

このまま状況が変わらず、スーパーに買い物へ行けないとなれば、それはそのうちに飢えてしまうでしょう。

ただ、劣勢を強いられることが予想出来るこの状況を、何故か男は楽しんでいました。

※男=テロルのことでしたが、神さま視点で書くことに飽きたので、これからはいつも通りの文体に戻します。

 

田舎はどこへ行くにも遠いので、車移動が基本です。

意識して走ったり歩いたりしない限り足腰は弱っていきます。頭では分かっていても、運動するというのは大変なことです。強い意志がなくては出来ません。

車社会の田舎では、意志の弱い者の足腰は、どうしたって弱っていく運命なのだと思いかけていましたが、今日からは強制的に自転車で坂道を登らなくてはならない生活になりました。

確かに太ももはパンパンになって辛いのですが、久しぶりに身体を動かせることには、少なからず喜びを覚えています。

また、車がなければ買い物にも行き辛くなるので、財布にだって優しそうです。

まあ、数日のうちに折ってしまったミラーの代替品は手入ると思うので、このイレギュラーな日々を楽しもうと思っています。

もし、数日のうちにミラーを入手できないと、隣町(往復50km)まで借りた本を返しに行かなくてはならなくなるので、さすがにこれはイレギュラーを楽しむという範疇を越えていると思います。

今日は、iPhoneで撮った写真をパソコンに取り込み、ブログで使えそうなものをフォルダに分けたり、車検に備えてヘッドライトを交換したり、荷物を受取る度に溜まっていくダンボールを小さな家庭用焼却炉で燃やしたり、郵便局へ荷物を発送しに行ったり、鏡のフレームを完成させたりしました。

鏡のフレーム作りは予想に反して難しくて、また沢山の工具を使うことになったので、まったく気に入るものには仕上がりませんでしたが、TPのブログ記事には出来るかもしれません。

鏡のフレーム作りは、もしかしたらDIYスキルをはかるのにうってつけなのかもしれません。そう思うと、きっと僕のDIYスキルは(何段あるか分かりませんが、)下から二番目くらいだと思います。

頑張ってDIYスキルを向上させたいというよりは、とても素人には真似出来ないようなカッコいいつくりのフレームを、いつかどこかの骨董市などで見つけたいという気持ちの方が、作っている時は大きかったです。

※書いていてずっと気になっていたのですが、

「DIYスキルをはかる」

「はかる」は、量る、測る、計るなどありますが、いったいどれなのでしょうか?

分からない時は平仮名に逃げることが出来るので、日本語は便利な言語ですね。

おしまい。







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