[ゴーストワールド/GHOSTWORLD] 公開:2001年(アメリカ) 監督:テリー・ツワイゴフ 出演:ソーラ・バーチ、スカーレット・ヨハンソン、スティーヴ・ブシェミ
「全米ティーンエイジャーのバイブル」
「ダメに生きる」
こんなサブタイトルの映画を借りてきたので紹介します。
冒頭、ブラウン管に映るダンスシーン(1965年のインド映画「Gunaam」で使われたものらしい)を部屋で一人、真似て踊る女の子が主人公。
彼女の名前はイーニド(ソーラ・バーチ)。
イーニドと親友のレベッカ(スカーレット・ヨハンソン)は、世の中を斜に見ながらも、高校卒業後の進路に悩み、すれ違ったり人に迷惑を掛けたり、傷ついたりします。
・先ずはイーニドとレベッカの紹介から
卒業式のために練習を積んだであろう彼女たちのダンスを見てイーニドは…
この表情。最高です。
事故を切っ掛けに、「もうクスリやお酒は必要ない」と、車椅子姿でスピーチした同級生には、「酒とクスリの中毒だったくせに、事故で突然”立派な人”になってんの…」と影口。
卒業パーティーで話し掛けられた同級生のちょっとアレなジェスチャーをみれば当然…
2人で真似て小馬鹿にする。
’50年代風ダイナーで偶然出会っても…
やっぱり真似て馬鹿にする。悪い子だけど、真似たくなる気持ちも分かるのでつい笑ってしまう。
高校は卒業できたけれど、進学、就職の決まっていない彼女たちの暇つぶしは、レストランで見た変わった出で立ちのカップルを「サタニスト(イーニド曰く、サタニストは処女を生贄にするものらしい…)」だとレッテルを貼って尾行したり、新聞の恋人募集覧を見て、マニアックでキモいと思った奴に電話をして呼び出して遊んだり…です。
サタニスト扱いされた2人
恋人募集をしていた、マニアックでキモい奴こと、中年男シーモア(スティーヴ・ブシェミ※僕はレザボアドッグスから大好きです)
シーモアの後をつけて家を特定し、郵便ポストを漁る悪ガキ2人…。
・物語はメインストーリーへ
さて、この中年男シーモアに出会ったところからが本作のメインストーリーが始まります。
シーモアはブルースレコードの蒐集家でした。
レベッカは相変わらず、シーモアのことを「キモい男」扱いしますが、イーニドはシーモアのことを、「嫌いな奴の正反対」「すごいイモだもん、かえってイケてる」と気に入る。ただ、当然ながら恋愛感情を抱くといったものではない。
どちらかというと、お気に入りのオモチャを見つけたという感覚に近いのではないだろうか…?
・シーモアにつきまとうイーニド
お気に入りを見つけたイーニドは、長年彼女のいない中年男であるシーモアの恋人探しを手伝うという名目で付きまといます。
おしゃれなイーニド。
いつもおめかし。
ついにシーモアに彼女が出来るのだが…。
・ストーリーを全て追ってしまうのは無粋なのでこのへんで…
バイトを始めても一日でクビになったり、お金を稼ごうとガレージセールをやるも、商売に徹することが出来ないイーニドは次第にレベッカとも家族とも、そしてシーモアともすれ違うようになっていきます。
悲しむイーニド…。
新しい彼女とシーモア。
「好きな曲よ」
「いいでしょ」
「踊りましょ」
「カモン!」
「踊れないよ」
「何言ってるの」
「簡単よ私の動きをマネして」
「ダメだよ」
「来て」
「音楽に体をを任せて」
「感じて」
新しい彼女はこんな感じなので、イーニドからすれば、シーモアとは全然合わないこの女性のことがさぞ気に食わないことでしょう…。
お気に入りのシーモアが大嫌なタイプの女性に取られてしまったという感覚なのではないでしょうか?
ここまで読んでこの映画が気になったという人は、是非続きをご覧になって下さい。
似たような体験や時期を過ごしたことのある人は勿論、ポップな音楽とキュートなファッション・センス(Amazonレビューより抜粋)も見どころです。
・おまけ
髪を緑色に染めるも馬鹿にされるイーニド。
「私のは今どきのパンクと違う」
「1977年のオリジナルのパンク・ロックよ」
と反論。
しかし次の日には黒髪に戻してしまうイーニド…。
・アンソニーのポルノ・ショップにて
「お願い、一度入りたかったの」
とシーモアに無理を言って入ったポルノショップで大興奮したものとは…?
変な仮面…でした。
しかもカフェで働くレベッカに自慢しに行くイーニド…。