ナードな子供が面白い

毎年のように高級外車を乗り換える人、たまの休みにだけ乗るというキャンピングカーにトレーラー、立派な犬を引き連れている人、ランタンやバーナーなど、どれも高価な外国メーカーのビンテージで揃えてくる若者などを見ていると面白いです。

稀に羨ましくなることもありますが、大抵の場合は、それらの贅沢を我慢した分働く時間を減らせるとしたら、彼らの幸福度は更に上昇するのではないだろうかと思って見ています。

仕事を引退したら自然の多いところに移住してゆっくり暮らしたいという人が多いのですが、案外その程度の夢なら、直ぐにでも呆気なく叶えることが出来るかもしれません。まあ、今と同じような贅沢は出来なくなるかもしれないし、多くの人は子供がいるので、そう簡単ではないのでしょう。

 

「起きて半畳、寝て一畳。天下とっても二合半」

 

悟りきったような諺で、夢がないというか華がないというか、パッとしないようにも感じますが、この言葉を頭の片隅に住まわせておくだけでも、追い詰められた時には意外と良い働きをするかもしれません。

 

さて、今日も引き続きお客さんの出す大量のゴミを回収し、ピックアップトラックに乗せてゴミ処理場へ捨てに行ったり、シンクホール(空き地に開けた大穴)に消し炭を捨てたり、居室の掃除をしたり、場内整備したり、いまいち流行らないワークショップの店番をやってみたりして一日を終えました。

一日を通して特に面白いと感じることは、やはり子供たちと接するなかにあることが多いです。子供たちと遊ぶことは、疲れることの代表格でもあります。しかし面白いと感じる瞬間もあるため、手持ち無沙汰にしている子供を見かけると、つい声を掛けたり挨拶したりをやめられません。

今日も色々な子供がいましたが、最も面白かったのは事務所の机で一日学校の宿題をやっていたメガネっ娘です。

事務所に入る度にその女の子は机に向かって勉強をしていましたが、僕は沢山の仕事を抱えていたので声を掛けることが出来ませんでした。

今日の仕事が終わりかけたころ、やっと僕もゆとりが持てたので、

「せっかく泊まりに来たのに一日勉強だったね」

と声を掛けると、そのメガネっ娘は問題集を脇にどかしてしまい、待ってましたと言わんばかりに喋りだしました。

その子の見た目と、アニメのイケメンがプリントされた筆箱から、彼女は大分ディープな子供だろうと察しがつきました。

旬なアニメ、ゲーム、漫画などは子供に教えてもらうのが近道という場合があります。

仕事が終わるまでの数分と、シャワーを浴びて戻ってきてからの数分だけで、非常に内容の濃い会話が出来たと思います。

きっと彼女は勉強に辟易していたのだと思います。水を得た魚のように、自分の好きなアニメの話や、筆箱からぶら下がっている数十個のキーホルダーの紹介、筆箱の中から出てきた自作のラミネートされた二次元のイケメンの話、そして過去の恋愛話に飛び火し、最後は、

「3次元の男は懲りたし、自分の時間が持てないから、やっぱり2次元のイケメンが好き。2次元ならずっと完璧だから!」

と目を輝かせ、彼女なりの哲学を語ってくれました。

そして最後は、一枚だけ残っていたビスケットを僕にくれるのでした。

「また明日ね!」といってお別れをしました。

明日が少しだけ楽しみになりました。

 

8割くらいは理解出来ず、また記憶に留めておくことが出来なかったので少しだけですが、彼女が好きだといっていたアニメを紹介します。

・うたの☆プリンスさまっ♪(これが一番好きだといっていました)
・黒執事
・ボーカロイドのなんとか…(筆箱からぶら下がっていたキーホルダーの一つを指差し、化物語の阿良々木君?と僕が得意気に言ったところ、ボーカロイドだと訂正されました。忘れてしまったので帰宅後に検索してみました。恐らくv flowerのVOCALOID4だと思います…どれも同じような顔に見えるので自信はありません…)

 

日々精進だと思いました。また明日から頑張ります。

 

書き忘れていました。

メガネっ娘との会話で一番驚いたことは、僕は小学生だと思って接していたのですが、実は高校二年生だったことです。

年齢以上に幼く見えてしまうのは、僕が歳を取ったからなのでしょうか…。







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