先日の夜、眠る前にみたナショナルジオグラフィックの最新記事が面白かったです。
2017.04.12|27年一度も人と接触せず、ある森の「隠者」の真相|NATIONALGEOGRAPHIC
20歳の頃に森に入り、27年間一度も人と接触せずにテント暮らしをしていた男(以下ナイト)が世間の目に晒されることになったのは、1000件以上の窃盗を働いていたからです。
やはり20歳まで人間社会で生きてしまうと、完全に野生化は出来ないようですね。
この記事の中で特に面白かったと思うところを抜粋します。
"...ナイトはソローのことを「道楽者」だと評しています。ソローがウォールデン湖畔の丸太小屋で暮らしたのはわずか2年であり、しかも洗濯は母親がやっていました。ナイトに言わせれば、ソローはわざわざ外界へ出ていって本を書き、「どうだ、俺はすごいだろう」と自慢した、ただの目立ちたがり屋でした。"
僕の家にある「森の生活」は神吉三郎訳のもので、僕にとっては文字が小さくて小難しいのですが、最近発売された今泉 吉晴訳の「ウォールデン 森の生活」は、そんな僕にとっても非常に読みやいものでした。まだ上巻しか読んでいませんが、オススメしておきます。
多くの国で愛されているヘンリー・D・ソローですが、ナイトは上のように評しました。
僕はナイトの生活に憧れることこそありませんが、それはソローに対しても同じです。そして「ただの目立ちたがり屋」という言葉には、少なからずドキッとさせられました。
"メイン州中部は、想像を絶するほど寒さが厳しいところです。しかし彼は冬の間、毎日必ず午前2時30分に起床していたそうです。そしてすみかの周辺を歩き、その間に小型のキャンプ用コンロで雪を解かして飲み水を作りました。彼は冬の間は毎晩この習慣を続け、足の指どころか、爪ひとつさえ凍傷で失うことはありませんでした。"
いかにナイトが人付合いを嫌がっていた(恐れていた?)かが伝わってくるようですね。
"ナイトに対する人々の反応はさまざまです。別荘に盗みに入られた人々の中には、ナイトは残りの人生を刑務所で過ごし、自分たちが味わった苦しみに対する罰を受けるべきだと考える人もいました。また別の被害者は、結局のところナイトは、ときどき家に入ってくるハエみたいなものだったと言っていました。私は徐々にこう思うようになりました。誰かがナイトに対して抱く印象からは、ナイトの一面が見えてくるけれど、同時にそれは、その人自身の一面も表しているのだ、と。"
「人こそ人の鏡」という諺通りですね。
とはいえ、誰だって家に侵入され、何かを盗まれたら腹が立つし、とんでもなく怖いと思います。
"私はときどき、例えば車を運転していて、後部座席では3人の子供が喧嘩をし、約束の時間には遅れそうで、渋滞は動かず、ラジオが嫌なニュースをがなりたてているようなときに、こんな強烈な思いにかられます。おかしいのはナイトではなく、私たちの方なのではないかと。なぜナイトが社会を離れたのかではなく、なぜ我々はそうしないのかと問うべきなのかもしれません。"
まとめの言葉です。
ちょっとおまけ的なことなのですが、記事の中にはあと2つ気になったことがありました。
・ナイトは、ほとんど人付合いをしない家庭で育ったようです。変わった家族だったようで、ナイトが失踪しても捜索願を出すことはなかったそうです。
・歴史上の隠者は全員3つのタイプに分けられるそうです。「抗議者」「殉教者」「追求者」因みにナイトはどれにも属さないようです。
文=Simon Worrall/訳=北村京子
一応日記的なことを書いて終わります。 昼近くに起きて直ぐに大掃除 郵便物の発送 車のタイヤ交換 畑を耕してから種まき
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