雨が降り続けると不安になります。
この不安の大部分を占めるのは、小屋の倒壊に関わることです。
実は雨水タンクのオーバーフローをほうっておくと、溢れ出した雨水がタンクを伝って小屋の基礎付近に水溜りを作ります。
涓滴岩を穿つ(けんてきいわをうがつ)という言葉があるように、そのうちに基礎に使っている沓石(くついし)の下に穴を開け、倒壊というのは大袈裟だとしても、少しくらい小屋が傾くこともあるのではないかと不安になるのです。
そんな小屋に住み続けて丸4年以上が経過するので、今回と同じような長雨は、もう数え切れないくらい経験しており、その度に似たようなことを考えてきましたが、一向に小屋は傾くことなく、“でん”としています。
仕事や車の運転など、“慣れてきた頃が危ない”といいます。
全く無くなったとはいいませんが、最近は長雨に対しての危機感が薄れています。
強風に関しては未だに怖くて、そんな日は決まって寝不足になりますが、しかし心のどころかでは、『ま、大丈夫でしょ…?』と、やはり危機感が薄れているのです。
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常時接続のスマホを持っている人は、有事の際は「Jアラート」が鳴り響くといいます。
テレビがなくラジオを聴く習慣もない、基本的にオフラインで過ごしている我が家は、言うなれば社会から隔絶されているようなものなのかもしれません。
これはちょっと平和ボケがすぎるのではないかと思ったので、インターネットに繋いでいるときしか使えないとはいえ、yahooが出している「災害速報」という無料アプリをDLしました。
iPhoneに入れたのは大分前のことですが、今回の大雨で、初めてこのアプリが動作しました。
僕の認識では、1㎡の容器に、一時間でたまる雨の量を表しているはずなので、50mm/hだとして計算してみると、我が家の屋根は≒20㎡なので、一時間辺り1000L(間違っていたらゴメンナサイ)の雨水がたまる計算になります。(※ちなみに我が家の雨水タンクは500Lです。)
ずっと50mm/hが降り続けるわけではありませんが、強い雨が一日中降り続けるというのは、やはり不安にもなるのです。
雨が降り続けた一昨日の真夜中、ある轟音によって目が覚めました。
「ゴオオォォォ…」という腹に響くような轟音を聞いて、最初はカミナリだと思いました。
しかし直ぐにそれが間違いであることに気が付きます。
カミナリの轟であれば、どんなに長くても数秒間ですが、この轟音は、いつまで経っても鳴り止まなかったのです。
『あれ…?』『えっ…!?』
直ぐに鳴り止むと思っていたものが止まらないと、時間間隔が狂ってしまうようで、僕にはとんでもなく長くに感じてしまいました。
『この音はなんだろう…?』
『あ…、土砂崩れ…!?』
土砂崩れの可能性に気がついた途端、継続して鳴り続けている地響きは、もう僕の中では山崩れとか土砂災害としか思えなくなり、布団から上半身を起こしてしまいました。
とても長く続いたように感じますが、実際は数十秒のことだったのかもしれません。
ようやく地響きが治まりました。
こんなときはどうすればいいのだろうかと考えましたが、真っ暗で大雨も降っているなか外へ出たとしても、どこへ向かえば良いのかもわかりません。
危機感の薄れいる僕は、『ま、大丈夫でしょ…?』とひとりごち、また布団をかぶりました…。
あのときの地響きの正体は、未だ分かっていません。
例えるなら、間近で聞く、飛行機のジェットエンジンに近い音です。
『ん…、飛行機…?』
しかしあんな真夜中に飛行機の音を聞いたことはなかったと思います。
ましてや目が覚めてしまうくらいの轟音なので、やっぱり飛行機が飛んだ音とは思えません。
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明くる日
翌日はゴミを捨てに行かなくてはならなかったので外出したのですが、通りの様子をみて驚きました。
アスファルト道路がバックリとえぐれていました…。
山側からの土砂が延々と300mほど続いています。
用事がないので山側には行きませんでしたが、やはり一昨日の轟音はどこかの土砂崩れだったのかもしれません。
おまけ
驚いたことに、今日にはここまで修復されていました。
ここらへんは山なのですが、別荘が多いおかげで市の対応も早いのかもしれません。
こんなところは日本の誇るべきところなのかもしれませんね。
米軍の夜間低空飛行訓練かも
盲点でした。その可能性もありますね。