自分が書いた文章を読んでもらい、直接ないし間接的に何かしらのリアクションを得るという一連の流れに没頭(依存?)していました。
書きたくて堪らないという時期を経て、最近は自分の書きたいことを書くことが出来ているだろうかと振り返ったり、人の目を過度に気にし過ぎ、当たり障りのないツマラナイ文章ばかりを書いてはいないだろうかと心配をしたりしていました。
それでも書くことを辞めたいと思ったことはなく、それは書くことを辞めてしまったら空洞の自分を直視せざるを得ないと恐怖していたからです。
何者でもない人間にとっては、こんなブログでもアイデンティティを喪失しない為には必要なものだったのです。
ふと冷静になったときに、ブログを書いていることが無意味に思えてくることもあるのですが、それでもスパッと辞めてしまうことは出来ないのだろうなと思っていました。
しかし意外なことに、実際5日間ブログを書かない生活を送ってみたところ、もしかしたら既にブログがなくても自分を保ったまま、何の問題もなくやっていけるのかもしれないと思っていました。
日々の生活を心地よく過ごそうと思うと、細々とした仕事をいくつも熟さなくてはならず、それら一つ一つに真摯に向き合えば、それは忙しくもなっていくのです。
例えば薪ストーブの上でパンを焼こうと思えば、いい頃合いでひっくり返してやらなければ直ぐに焦げてしまうし、魚を焼くのは七輪なので、これも同様に火力の強いところを察知し、それに合わせて魚を移動させたり裏返したりしなくてはなりません。
ご飯を炊く時だって油断をすればおこげを通り越して鍋底は悲惨なほど真っ黒になります。
ごく一部のことしか書いていませんが、これらのことが手間だと思った人類は、ボタン一つ押せば料理中であることを忘れてしまっても失敗することがない調理器具を発明しましたが、その発明で手に入れた時間で一体何を獲得したのでしょうか。
勤めている企業で残業が出来るようになった人、より多くテレビやインターネットに時間を費やせるようになった人、手に入れた時間を持て余し、酒やギャンブルに溺れた人、様々だと思いますが、僕は圧縮可能な時間があるという選択肢を手元に残したまま、最高のタイミングで火の元から食材を下ろす為にその場に張り付き目を凝らしていました。
五感を頼りに作る料理というのは、面倒ではなく贅沢なのだと思います。
当たり前とされている、電気ガス水道契約を今でも拒否している背景には、きっとこのようなとびきりの贅沢が隠されていて、僕はもっとこれらのところをクローズアップし、言葉に変え伝えていかなくてはならないような気がしました。
今はまだ認められないとしても、一から取捨選択していけるこの生活こそが最先端であり自由であるのだと、いつの日にかこれが当たり前の一つとなるよう僕は書いていけたらいいなと、この5日間で考えました。
[おまけ]
数日間引きこもると決めた日からの食事は、鍋いっぱいのカレーでした。
玉ねぎとジャガイモを炒めます。
生姜、にんにくは、おろし金でよく磨り下ろしてから入れます。
炒めた玉ねぎを小さな鍋に移し、更に良く炒めてからお湯を加え、野菜ブイヨンを加えます。仕上げに溶けるチーズを乗せ、パセリを散らしたら完成です。
とても簡単ですね。
カレー鍋には、摩り下ろしたリンゴにバナナを数本千切っていれます。
※薪ストーブで長時間煮込むので、これらの具材は全て溶けてしまいます。
この日は終日煮込むだけなので、カレーは食べられません。
オニオンスープとカリカリに焼いたパンでしのぎましょう。
[翌朝]
丸一日煮込んだカレー
お湯を加え、また一日煮込みます。
翌朝からは、コリアンダー、クミン、ブラックペッパー、ホワイトペッパー、シナモン、フェヌグリーク、フェンネル、パプリカパウダー、チリ、カイエンヌペッパー、ナツメグ、ターメリック、カルダモン、オールスパイスなどなど、適当にスパイスを投入してからは、焦げ付かないようにヘラを片手に出来るだけ鍋から離れないようにしました。
※3日目以降味を変えたくなった場合は、固形のカレールウとお湯を足すのも良い方法だと思います。
※ドロドロに煮込んだ豆(ムングダルなど)と合わせても美味しいです。
二日目の夜は、いよいよカレー初日です。
この日はカジキマグロの竜田揚げをトッピングすることにしました。
水気を切った豆腐も、カジキマグロと同じように摺り下ろした生姜、にんにく、酒、醤油を混ぜたもので下味をつけ、ビニール袋に入れた片栗粉の中に少しづつ入れては袋を振って粉をまぶし、油で揚げました。
豆腐も美味しかったので、次からは完全なるVegカレーが作れそうです。
[おまけ2]
デザートはプリンにしました。
砂糖(グラニュー糖があれば尚良)を煮詰めたカラメルを容器の底に仕込みます。
温めた牛乳(沸騰はさせない)と、よく溶いた卵を混ぜ、蒸すだけですが、牛乳に振るった小麦粉を混ぜ合わせてから卵を入れたり、バニラエッセンスなどで香り付けをすると更に美味しいプリンが出来上がります。
冷やして食べようと外に出しておいたところ、野良猫に食べられてしまいました。
極寒の中、キンキンに冷えたプリンを食べていたトラ柄の猫が不憫で仕方がなく、怒ることが出来ませんでした…。
5日間も休んだので、あと5倍くらいは書きたいのですが、長くなったので自重します。
おしまい。