死の畑とメーンとタケノコと

古くからの読者さんで、植物の苗や種を送ってくださる方がいます。

今年も沢山の種類の種を送っていただいたので、専用に畑を耕し畝を立て、いい間隔で種を植えていました。

発芽したのは随分と前のことですが、去年に比べどうも成長が芳しくありません。これはどうしたものかと考えましたが、日中畑を眺めれば原因は一目瞭然でした。

成長するのは苗ばかりではありません。新しく作った畑の脇には落葉広葉樹のクヌギが生えていて、これが枝葉を大きく広げ、日光を遮っていたのです。

これだけ葉が茂ると側を通るのも一苦労です。腰を屈めて歩いたり、首を曲げたり、調子の良い時は身体を反らせたりして歩いています。

クヌギが立派に成長しているというのは喜ばしいのですが、発芽したばかりのズッキーニからしたら迷惑な話です。

せっかく耕した畑でしたが、仕方ないので慎重に苗を掘り返し、日の当たる場所へ移植することにしました。

移植先として候補に上がったのは、一ヶ月以上前に種まきをしたけど全く発芽しなかった、通称「死の畑」です。とはいえ、どうせ発芽しないだろうことが予想出来た古い種を蒔いたというだけなので、立地や土が悪いということではないと思います。しかし不安が残ったので念のため、家のまわりで無限に手に入る腐葉土を、一輪車(通称ネコ)一杯にしてきてすき込むことにしました。

真っ黒な腐葉土がたっぷりと入ったので、「死の畑」も全体的に黒っぽくなり、あちこちにミミズの姿も観察出来るようになりました。

いかにも栄養たっぷりの土になったし、ここは日当たりは最高なので、根付いてさえくれれば、きっと立派に実を結んでくれることでしょう。

ついでに、去年のこぼれ種から発芽したパクチーが幾つか変なところから生えていたので、これも元「死の畑」に移植しておきました。

手を掛けて植えた種でも発芽しないことがあるのに、パクチーは種まきすらしていないのに生えてくるのだから凄いと思います。

僕の趣味の一つには、骨董市や蚤の市などを巡るということがあります。それらの市で気に入った食器が破格の値段で売られていたりすると、もう買わなくてはいられなくなります。

こっちに来てからもう少しで3年半が経ちます。

余計なものは買わないように気を付けているつもりでしたが、それでも食器棚の過密具合が無視できないレベルになってきました。

まったく予定にないことでしたが、急遽小さな棚のような仕切りのようなものを作ることにしました。これを食器棚に入れれば、かなり収納力が増すと思います。

バッグインバッグという便利なものがありますが、いうならばこれはシェルフインシェルフです。

板に脚を付けるだけのシンプルなものですが、古材を使うということは、サンダーをかけたりワックスをかけたりしなくてはなりません。

古材は釘抜きも大変ですが、これらの作業もなかなか大変だし時間が掛かります。

そんなこともあり、今日の薪割をする段になったころには大分疲れていました。疲れている時というのは、注意力が散漫になったり、仕事に対して身が入らなかったりします。

剣道の達人になったつもりで、少し助走をつけて「メーン!」などと、今日の薪割りは少しふざけてしまいましたが、なんとこの割り方は意外に斧のしなりを感じることが出来るような感覚があり、あまり力を込めずとも丸太は小気味の良い音とともに真っ二つに割れることが多かったです。

斧にはヘッドの重たい物と、僕が使っているような、結構軽い物とがあります。

重たい方は殆ど落とすように丸太を割りますが、軽い方は柄のしなりやスピードで割るのだと思っています。剣道の「メーン!」は、はからずも僕の斧と相性が良かったのかもしれません。

たまには肩の力を抜いて、試行錯誤しながらやってみるのも良いものでした。当然、薪割りでの怪我は致命傷になりかねないので、細心の注意を払わなくてはなりません。

・・

実は昨日の夕方、職場から連絡がありました。

タケノコがたくさんあるから「貰ってくれ」とのことでした。

「貰ってくれ」などと、こちらが気を使わないように言葉を選んでくれる大人は立派だと思います。

僕はそんな立派な人の好意に甘え、ついでに洗濯やお風呂にも入れてもらいました。洗濯はつい最近やったばかりだったので、ここぞとばかりに枕カバーやブランケット、普段使っているバックパックや帽子などを今日は洗わせてもらいました。

部屋や身体だけではなく、衣類や布団なども清潔に保つということは、何よりの贅沢なのかもしれません。

 

いただいた沢山のタケノコはどれもアク抜きが終わっていました。しかもタケノコご飯やタケノコの煮物までいただいたので、今日の夕飯は何もしなくて済みました。

貰ってきたタケノコは食べきれないくらいにあるので、今年も酢漬けにして冬の間に食べる保存食にしようと思います。

職場から戻って直ぐにかまどに火を入れ、瓶の煮沸消毒を始めました。

火の番をしなくてはならなかったので、今日の夕飯は野外でタケノコ三昧でした。

おしまい。







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