小屋暮らし予備軍の子供

今日から本格的にお客さん対応の仕事が始まりました。

以前TPで書きましたが、ゴミを集めたり掃除をしたり車を誘導したり、その他にも細々とした仕事がたくさんあります。

季節労働[2015]夏季の仕事について|お仕事マニュアル|タイニーハウスピリオディカルズ

 

集めたゴミを集積場に持って行ったあとは、使い終わった炭を近くに借りている土地に開けた大穴に投げこみます。

僕はこの穴のことを心のなかでは「シンクホール」と呼んでいます。

 

職場に戻る道すがら昨日ワークショップで出会った女の子(以下Yちゃん)がいたので挨拶をしました。

するとYちゃんは暇だったのか、僕の後ろをついて来てしまいました。

僕が次にやるべき仕事はお客さんが帰った後の居室掃除でした。

今日は全部で5部屋あるので忙しいのですが、Yちゃんはどこまでも付いてくるようです。

「お父さんたちのところに戻らなくてもいいの?」とか、「戻らないと怒られちゃうよ」というのですが、Yちゃんは「大丈夫、掃除を手伝うから!」といって離れようとしません。

僕は連勤で疲れているし、今日からは出勤時間が早まっているのでその分寝不足でもあります。

特に朝の時間帯には、底抜けに元気な子供の相手をするのは正直キツいです。

それでも無理に笑顔を作り、出来るだけYちゃんのテンションに合わせようと頑張りました。

何故なら、ワークショップの時と対応が全く異なるとなれば、あの時はお金を払ったから優しかったのだと勘違いされてしまうかもしれないからです。

これは教育上よろしくないでしょう。

途中、この子のお父さんやお母さんに出会いましたが、彼らは帰り支度に忙しいのか、「すみません、ご迷惑をおかけして…」とか、「戻ってこないと置いてくよー」などと口では彼女に注意するのですが、あまり本気で怒っているようには思えませんでした。

Yちゃんは掃除が楽しかったらしく、「嫌だー、戻りたくないー」とか、「待って!もう少しで終わるからー!!」と、両親に対しなかなか反抗的です。

仕方ないので居室の鍵を開けてもらったり、掃除機やモップがけを頼んだりと、それなりに仕事を任せました。

ワークショップの時も思いましたが、彼女は何をするにもとても慎重で丁寧だったし、僕も接し方の要領を得てきたというのもあって、まあ良いかと思えるくらいにはなってきました。

しかし、本当に大変だったのはこの後でした。

どこからか小さい女の子が現れ、土足で居室に入って来たのです。

「靴のまま入ったら駄目だよ」

言ったらちゃんと靴を脱いでくれるのでまあいい子だったのですが、この子はYちゃんの妹(以下Sちゃん)でした。

Sちゃんも掃除を手伝うと言っていますが、全身をモップのようにして床を滑ったり、Yちゃんと鍵の開け閉めで喧嘩をしたりと、まるで彼女たちは掃除をする気がありません。

僕は彼女たちに、

「何歳ですかー?」

「学校はいつからなのー?」

「What’s your name?」

などと質問責めにすることで喧嘩を止めさせようとしました。

そう簡単に喧嘩は収まりませんでしたが、そのかわりに現代の子供たちの生態が少しだけ分かりました。

Yちゃんは習い事を沢山していました。

「スケート、バレエ、体操、ピアノ、英語、水泳」です。まだ若干7歳だというのに大変なことです。

妹のSちゃんも、まだ3歳だというのに、既に「英語」を習っています。

なんとか名前だけは英語で話せることを確かめることが出来ました。

忙しいYちゃんは明日からさっそく学校だといいますが、宿題はやってないそうです。しかもそれは両親に内緒にしていると言っていました。

そんなに忙しくして将来は何になりたいのだろうか?スーパーマンだろうか?なんてことを考えていましたが、でも僕も子供の頃はYちゃんばりに習い事をやっていた時期があったので、それほど珍しいことでもないのかもしれません。

僕の将来は小屋暮らしだったので、もしかしたらYちゃんも未来の小屋暮らし予備軍なのかもしれません。

この姉妹には是非とも頑張ってもらいたいものです。

・猫:2592円

【購入者:オーストラリア人✕1】

 







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