5.屋根の飛ぶ人生

酷い強風で、小屋に併設して作った差し掛け小屋の屋根が3枚飛んでしまった。

強風が吹く度に屋根が飛ぶかもしれないと心配をする人生になるとは思いもしなかったけど、こんな生活を僕は楽しんでいるのだから、これもまた意外なことだ。

この時飛んだ屋根はすぐに直したけど、深夜4時ころからまた強風が吹き荒れ、そのうちに何かが勢い良く崩れ落ちるような音がした。これは強風で屋根が剥がれ落ちた音に違いない。音の大きさから、今度は3枚以上が吹き飛ばされたと思った。

内開きの窓も強風に押され、誰かのドッキリかと思うくらい勢い良く開いた。慌てると笑うを同時にやったような顔になる。

風で窓が開くなんてこれまでに一度だってなかったから、今吹き付けている強風はなかなかのものなのだろう。

「自然の猛威」って言葉を書いてみて気がついたけど、これは字で書くと怖くなるパターンの奴だ。

布団を被って寝てしまおうと思ったけど、迫り来る強風の音を聞く度に脳が痺れ、目が冷めてしまう。

今日もまた寝不足の1日になりそうだ…。
インターネット上のお店では、今日もアメリカ人が何か買ってくれたようだ。ネットに繋いだ瞬間、売れた物があればポップアップ通知が入るので、これが毎日の楽しみというか、少し緊張する瞬間。

今日の売上は、だいたいコインランドリー1回分の金額になると思う。

大きなバケツ2つが、汚れた衣類で一杯になっていたから丁度良かった。
洗濯機が回る36分間のうちに、足りない食材を買いにスーパーへ行ったら、不意に誰かに声を掛けられた。

3年ほど前に行ったワークショップで知り合ったオジさんだった。

あれよという間にオジさんの家に行くことになり、沢山の野菜やお米、そしてワイナリーで使われていたという、プラスチック製の樽を貰った。容量は200Lもあるので、これは雨水タンクに使えそうだ。見た目も茶色でカッコよく、とても嬉しかった。

最近お米の入手に困っていて、初めてスーパーでお米を買ったのだけど、このオジさんは野菜だけではなく、お米も作っている。

毎年お米は食べ切れずに余ってしまうらしく、最終的には古米をボランティアにあげていると言っていた。ボランティアにあげたいのであれば仕方ないけど、もし売ってもらえるのなら嬉しいので、良いタイミングがあれば相談してみようと思った。

受け取るばかりでは辛いので、オジさんが欲しいと言っていた、キノコ栽培用の木(桜)のことを頭の片隅に置いておき、手に入ったら持っていこうと思う。

因みにこのオジさんは犬を飼っているばかりでなく、見た目もどこかしら犬っぽいところがあるので、僕はこのオジさんのことを思い出すときは「森の犬おじさん」と呼んでいる。

帰宅後は、夜中に飛ばされた屋根を直した。

飛ばされた屋根は将来違う場所で使う予定だったから、固定する為の穴を開けたくはなかった。その為ビニールロープで縛るだけの固定方法だったのだけど、また飛ばされたら面倒なので今度はしっかりと穴を開け、木ネジで固定しておいた。
今日も引き続き強風が吹き荒れている。

隣の農機具小屋の鉄製の扉が風に煽られ、結構な頻度で梵鐘のような音を奏でている。

昼間は良いけど、夜中も続くとしたら少しキツいな。

 

コインランドリー:400円

食材:270円

LED照明点灯時間:3時間




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